急な肩の痛みの原因とは?症状別の対処法と医療機関への相談
- 4月25日
- 読了時間: 13分

突然肩に走る痛み。「もしかして、何か悪い病気の前兆?」と不安になる方もいるかもしれません。この記事では、急な肩の痛みの原因となりうる疾患や、痛みの種類別の対処法を詳しく解説します。我慢できない痛みや、長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
整形外科で8年間勤務して、専門学校で非常勤講師をしながら整骨院,整体院をしている医療従事者が詳しく解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
目次
・肩こりからくる痛み
・肩関節の炎症による痛み
・肩関節の損傷による痛み
・肩関節周囲炎(五十肩)
・頚肩腕症候群(肩こり)
・腱板断裂
・関節リウマチ
・胆石症
・心筋梗塞
・痛みを和らげる応急処置
・日常生活での注意点
・専門家への相談
肩の痛みの種類と原因を探る
肩こりからくる痛み
肩こりは、多くの人が経験する一般的な症状であり、その原因は多岐にわたります。長時間のデスクワーク、不自然な姿勢、運動不足、精神的なストレスなどが複合的に影響し、肩や首の筋肉が慢性的に緊張することで発生します。
筋肉の緊張は血行不良を招き、疲労物質が蓄積することで、重さ、だるさ、時には鋭い痛みとして感じられることがあります。
特に、現代社会においては、スマートフォンやパソコンの使用が日常的となり、前かがみの姿勢を長時間続けることが多いため、肩こりを訴える人が増加傾向にあります。
肩こりの根本的な改善には、姿勢の見直しや適度な運動が不可欠です。意識的に背筋を伸ばし、肩甲骨を動かすストレッチを定期的に行うことで、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進することができます。
また、温かいお風呂に浸かったり、マッサージを受けることも、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
ストレスを溜め込まないように、リラックスできる時間を持つことも重要です。
これらの対策を日常的に取り入れることで、肩こりによる痛みを軽減し、より快適な生活を送ることができるでしょう。
肩関節の炎症による痛み
肩関節は、人体の中でも特に可動域が広い関節であり、それゆえに炎症を起こしやすいという特徴があります。肩関節周囲炎(五十肩)や腱板炎は、肩関節やその周辺組織に炎症が生じる代表的な疾患です。
これらの炎症は、加齢による組織の変性、過度な運動、外傷、または特定の疾患などが原因で起こることがあります。
肩関節周囲炎は、特に40代以降に多く見られ、初期には肩の軽い痛みから始まり、徐々に痛みが強くなるのが特徴です。夜間に痛みが増すこともあり、睡眠を妨げられることもあります。
腱板炎は、肩関節を動かす腱板と呼ばれる筋肉が炎症を起こした状態で、特定の動作で痛みを感じることが多いです。
これらの炎症による痛みに対しては、まず安静を保ち、炎症を抑えることが重要です。冷湿布や温湿布を使用したり、市販の痛み止めを服用することも有効です。
ただし、痛みが続く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、整形外科を受診し、適切な診断と治療を受ける必要があります。
医師の指示のもと、リハビリテーションを行うことで、肩関節の可動域を改善し、痛みを軽減することができます。
また、ステロイド注射などの治療法も選択肢として挙げられます。
肩関節の損傷による痛み
肩関節は、その構造上、脱臼しやすい関節でもあります。スポーツ中の事故や転倒などにより、肩関節が正常な位置から外れてしまうと、激しい痛みを伴います。
また、腱板断裂は、肩関節を構成する腱板が損傷することで、肩の痛みや運動制限を引き起こす疾患です。腱板断裂は、外傷だけでなく、加齢に伴う腱の変性によっても起こることがあります。
肩関節の脱臼は、整復処置が必要であり、速やかに医療機関を受診する必要があります。整復後も、リハビリテーションを行い、肩関節の安定性を高めることが重要です。
腱板断裂の場合、損傷の程度によって治療法が異なります。軽度の損傷であれば、保存療法(リハビリテーションや薬物療法)で改善が見込めますが、重度の損傷の場合、手術が必要になることもあります。
肩関節の損傷による痛みは、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。早期に適切な治療を受けることで、痛みを軽減し、肩関節の機能を回復させることが重要です。
予防のためには、運動前のウォーミングアップや、肩関節を保護するためのサポーターの使用などが有効です。
肩の痛みを引き起こす可能性のある疾患
肩関節周囲炎(五十肩)
肩関節周囲炎、通称五十肩は、40代から60代にかけて発症しやすい肩の痛みと運動制限を伴う疾患です。肩関節を覆う関節包や腱板、滑液包などに炎症が起こり、肩の可動域が徐々に制限されていきます。
原因は明確には解明されていませんが、加齢による組織の変性や、肩の使いすぎ、過去の怪我などが関与していると考えられています。
五十肩の症状は、急性期、慢性期、回復期の3つの段階に分けられます。急性期には、強い炎症による激しい痛みがあり、夜間痛が特徴的です。慢性期には、痛みは軽減するものの、肩の可動域制限が顕著になります。回復期には、徐々に肩の可動域が改善していきます。
先日も当院に50代の女性がだんだん症状が肩に出てきて、整形外科で肩に注射を打ったら、痛みが減ると思っていたが、逆にだんだんひどくなったと来院されてきました。こんな方もおられます。
五十肩の治療は、痛みの緩和と可動域の改善を目的として行われます。薬物療法(鎮痛剤や湿布)、理学療法(温熱療法や運動療法)、注射療法(ステロイド注射やヒアルロン酸注射)などが用いられます。
適切な治療とリハビリテーションを行うことで、多くの場合、症状は改善しますが、放置すると、肩の可動域制限が残ってしまうことがあります。
早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

頚肩腕症候群(肩こり)
頚肩腕症候群は、首、肩、腕にかけて痛みや痺れ、だるさなどの症状が現れる状態を指します。肩こりもその一部であり、長時間のデスクワーク、猫背などの不良姿勢、精神的なストレス、運動不足などが原因で起こることが多いです。
特に、パソコン作業やスマートフォンの使用など、同じ姿勢を長時間続けることは、首や肩の筋肉に過剰な負担をかけ、血行不良を引き起こしやすくなります。
また、精神的なストレスは、筋肉を緊張させ、血管を収縮させるため、症状を悪化させる要因となります。
頚肩腕症候群の治療は、原因となっている生活習慣の改善が基本となります。正しい姿勢を保つように心がけ、定期的に休憩を取り、ストレッチを行うことが重要です。
また、温かいお風呂に浸かったり、マッサージを受けることも、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
必要に応じて、鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法や、神経ブロック注射が行われることもあります。
予防のためには、適度な運動を行い、ストレスを解消することが大切です。

石灰沈着性腱板炎(滑液包炎)
腱板、肩関節を構成する4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の腱があるのですが、これらの筋肉は、肩関節の安定性を保ち、腕を上げたり、回したりする動作をサポートする役割を担っています。
この棘上筋の上腕骨の付着部に石灰(ピロリン酸カルシウム)ができて強い炎症を引き起こし、激烈に痛みが出ることがよくあります。昨日までは全然大丈夫だったのに、朝から、昼から、夜から急激に肩が痛くなって、腕が上がらない。夜もズキズキ痛む。押すと激烈に痛い。などの症状が典型的です。
この場合は整形外科への受診をお勧めします。
見逃せない!危険な肩の痛みのサイン
関節リウマチ
関節リウマチは、自己免疫疾患の一つであり、全身の関節に炎症を引き起こす病気です。免疫システムが誤って自分の体の組織を攻撃してしまうことで、関節の滑膜に炎症が起こり、痛み、腫れ、こわばりなどの症状が現れます。
肩関節も関節リウマチの好発部位の一つであり、肩の痛みや可動域制限が見られることがあります。
ただし頻度は多くありません。症状は肩に出てくる前に指に出てくることが多いです。
関節リウマチによる肩の痛みは、他の関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどを伴うことが特徴です。
また、微熱や倦怠感、食欲不振などの全身症状が現れることもあります。
関節リウマチは、早期に診断し、適切な治療を開始することが重要です。治療には、薬物療法(抗リウマチ薬、生物学的製剤など)や、リハビリテーション、手術などがあります。
早期に治療を開始することで、関節の破壊を抑制し、症状の進行を遅らせることができます。
肩の痛みだけでなく、他の関節にも痛みや腫れが見られる場合は、関節リウマチの可能性を考慮し、早めにリウマチ科を受診しましょう。
胆石症
胆石症は、胆嚢や胆管に胆石ができる病気です。胆石は、コレステロールやビリルビンなどが凝り固まってできたもので、無症状のこともありますが、胆石が胆管を塞いでしまうと、激しい腹痛や背中の痛み、右肩の痛みなどが現れることがあります。
胆石による肩の痛みは、放散痛と呼ばれるもので、胆嚢や胆管の刺激が神経を介して肩に伝わることで起こります。
特に、食後に痛みが強くなることが多く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
胆石症の診断は、腹部超音波検査やCT検査などによって行われます。
治療法は、胆石の大きさや症状の程度によって異なります。
無症状の胆石であれば、経過観察となることもありますが、症状がある場合は、手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術など)や、薬物療法(胆石溶解剤)が行われることがあります。
右肩や背中に痛みが放散し、特に食後に痛みが強くなる場合は、胆石症の可能性を考慮し、消化器内科を受診し、検査を受けることをお勧めします。
心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が詰まり、心臓の筋肉(心筋)が壊死してしまう病気です。
心筋梗塞の主な症状は、胸の痛みや圧迫感ですが、左肩や腕、顎、背中などに痛みが放散することがあります。
心筋梗塞による肩の痛みは、胸の痛みとともに現れることが多く、冷や汗や息苦しさ、吐き気などを伴うこともあります。
心筋梗塞は、命に関わる緊急性の高い病気であり、症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
治療は、血管を詰まらせている血栓を取り除くための、カテーテル治療や、血栓を溶かす薬(血栓溶解薬)の投与などが行われます。
心筋梗塞を予防するためには、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を予防し、禁煙、バランスの取れた食事、適度な運動などを心がけることが重要です。
胸の圧迫感や息苦しさを伴う肩の痛みがある場合は、心筋梗塞の可能性を考慮し、すぐに救急車を呼びましょう。
肩の痛みの対処法と予防策
痛みを和らげる応急処置
肩の痛みが突然現れた場合、まずは痛みを和らげるための応急処置を行うことが大切です。
最も重要なのは、安静を保つことです。無理に動かしたり、負担をかけたりすると、炎症が悪化し、痛みが強くなる可能性があります。
患部を冷やすことも、炎症を抑える効果があります。氷嚢や冷却ジェルシートなどをタオルで包み、15分から20分程度、痛む部分に当てましょう。
市販の痛み止めや湿布を使用することも有効です。痛み止めは、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。湿布は、冷感タイプと温感タイプがありますが、炎症が強い場合は、冷感タイプを使用しましょう。
ただし、これらの応急処置は、あくまで一時的な対処法であり、痛みが続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが重要です。
また、応急処置を行う際は、使用する薬剤の説明書をよく読み、用法・用量を守って使用しましょう。
日常生活での注意点
肩の痛みを予防し、悪化を防ぐためには、日常生活での注意が欠かせません。
まず、重い荷物を持つことを避けましょう。重い荷物は、肩に大きな負担をかけ、筋肉や関節を痛める原因となります。
どうしても重い荷物を持たなければならない場合は、リュックサックなどを使用し、両肩に均等に荷重がかかるようにしましょう。
また、正しい姿勢を保つように心がけましょう。猫背や前かがみの姿勢は、肩や首の筋肉に過剰な負担をかけ、肩こりや肩の痛みを引き起こしやすくなります。
椅子に座る際は、背もたれに背中をしっかりとつけ、顎を引いて、背筋を伸ばすように意識しましょう。
長時間の同じ姿勢は避け、適度な休憩を取り、ストレッチを行うことも大切です。
特に、デスクワークをする人は、1時間に1回程度、立ち上がって、肩や首を回したり、腕を伸ばしたりするストレッチを行いましょう。

専門家への相談
肩の痛みが続く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診することが大切です。
整形外科や内科など、適切な診療科を受診し、医師の診察を受けましょう。
医師は、問診や身体検査、X線検査、MRI検査などを行い、痛みの原因を特定します。
診断結果に基づいて、適切な治療法を提案してくれます。
治療法には、薬物療法、リハビリテーション、注射療法、手術などがあります。
ユビーメディカルガイドなどのオンライン医療相談サービスを活用して、症状に合った医療機関を探すのも良いでしょう。
また、セカンドオピニオンを求めることも、より適切な治療法を選択するために有効な手段です。
複数の医師の意見を聞き、納得のいく治療を受けられるようにしましょう。
まとめ
肩の痛みは、肩こりや五十肩、腱板断裂といった比較的軽度なものから、関節リウマチや心筋梗塞など、重篤な疾患が原因となっている場合まで、様々な原因で起こりえます。
痛みの種類や症状を把握し、適切な対処法を行うことが大切です。
まずは、安静を保ち、患部を冷やすなどの応急処置を行いましょう。
日常生活では、正しい姿勢を保ち、重い荷物を持つことを避けるなど、肩に負担をかけないように心がけましょう。
痛みが続く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、自己判断せずに、早めに医療機関を受診し、専門家の意見を聞きましょう。
早期に適切な診断と治療を受けることで、痛みを軽減し、肩の機能を回復させることができます。
我慢できない痛みや、長引く場合は、特に注意が必要です。
自己判断で放置せずに、医療機関を受診し、適切なアドバイスを受けましょう。
肩の痛みを放置すると、慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
早期発見、早期治療が大切です。
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出典・間接引用
松戸常盤平いいだ整形外科運動器リハビリテーションクリニック
肩の痛みの原因は?症状別の原因・治療方法・医療機関を受診する目安
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
肩の痛みの原因は?






