肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の日常生活での注意点:痛み緩和と予防
- 4月28日
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肩関節周囲炎、通称四十肩・五十肩は、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。痛みを和らげ、進行を防ぐために、どのような動作に注意すべきか、具体的な対策を、整形外科で8年間勤務して、専門学校で非常勤講師をしながら整骨院,整体院をしている医療従事者が詳しく解説します。治療経験も踏まえ、症状の段階に応じたアドバイスを提供します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
目次
・原因と症状の理解
・肩こりとの違い
・重症度チェックと各病期
・やってはいけない動作
・痛みを緩和する方法
・夜間痛対策
・時期別のリハビリ
・自宅でできる運動療法
・薬物療法
・手術療法
・予防策
・定期的なケア
肩関節周囲炎とは?
原因と症状の理解
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、加齢に伴い肩関節周辺の組織、具体的には腱板、関節包、滑液包などが炎症を起こすことが主な原因と考えられています。
これらの組織が炎症を起こすことで、肩の痛みや運動制限が生じます。症状は個人差が大きく、軽度の違和感から夜も眠れないほどの激痛まで様々です。
肩関節周囲炎の初期症状としては、肩を動かしたときの痛みや、肩の奥が重く感じるような感覚が挙げられます。進行すると、腕を上げたり、後ろに回したりといった動作が困難になり、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。特に、服の脱ぎ着や洗髪、洗濯物を干すなどの動作が困難になることが多いです。
肩関節周囲炎は、自然に治ることもありますが、適切な治療を行わないと、症状が慢性化し、可動域制限が残ってしまう可能性があります。そのため、早期の診断と治療が重要です。症状に気づいたら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
肩関節周囲炎の治療は、薬物療法、運動療法、物理療法などがあり、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。

肩こりとの違い
肩こりは、筋肉の緊張や血行不良が主な原因で、首や肩の筋肉が凝り固まった状態を指します。一方、肩関節周囲炎は、肩関節を構成する組織の炎症が原因であり、肩関節の痛みや可動域制限を伴います。
肩こりは、マッサージやストレッチなどで症状が緩和されることが多いですが、肩関節周囲炎の場合は、炎症を抑えるための治療が必要となる場合があります。
肩関節周囲炎では、肩を動かす際に鋭い痛みが生じることが多く、可動域制限も伴います。例えば、腕を上げようとしても、途中で痛みが走って上げられなかったり、後ろに手を回そうとしても、十分に回らなかったりします。また、夜間痛と呼ばれる、夜間に痛みが増す症状が現れることもあります。
肩こりと肩関節周囲炎は、症状が似ているため、自己判断せずに、医療機関を受診して正確な診断を受けることが大切です。医師の診断に基づき、適切な治療を受けることで、症状の改善や進行の抑制が期待できます。肩の痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
重症度チェックと各病期
肩関節周囲炎は、一般的に急性期、慢性期、回復期の3つの病期に分類されます。
急性期 | 肩に激しい痛みが生じ、安静時にも痛みが続くことがある。 特に、夜間痛が強く、睡眠を妨げられることもある。 |
慢性期 | 痛みは軽減するものの、肩の可動域制限が顕著になる。 腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になり、日常生活に支障をきたす。 |
回復期 | 徐々に肩の可動域が改善し、痛みも軽減していく。 ただし、完全に元の状態に戻るまでには、時間がかかることもある。 |
重症度をチェックする際には、まず痛みの程度を確認します。安静時の痛み、運動時の痛み、夜間痛の有無などを把握することが重要です。次に、肩の可動域をチェックします。腕を上げられる角度、後ろに回せる範囲などを確認します。これらの情報を総合的に判断し、重症度を評価します。
自己判断は難しいため、医療機関を受診して、専門家の診断を受けるようにしましょう。早期に適切な治療を開始することで、症状の改善や慢性化の予防につながります。
日常生活で気をつけること
やってはいけない動作
肩関節周囲炎の症状を悪化させないためには、日常生活での動作に注意が必要です。まず、痛みがあるのに無理に肩を動かすことは絶対に避けるべきです。無理な運動やストレッチは、炎症を悪化させ、痛みを増強させる可能性があります。
また、マッサージも注意が必要です。炎症が強い時期にマッサージを受けると、炎症をさらに悪化させることがあります。特に、強い力でのマッサージは避けるべきです。
痛む方の肩を下にして寝ることも避けるべきです。寝ている間に肩に圧力がかかり、痛みを増強させる可能性があります。できるだけ仰向けで寝るか、痛くない方の肩を下にして寝るようにしましょう。
重い荷物を持つことも、肩に負担をかけるため避けるべきです。買い物をする際は、カートを利用したり、荷物を分散させたりするなどの工夫をしましょう。
これらの動作を避けることで、肩関節周囲炎の症状悪化を防ぎ、回復を促進することができます。無理のない範囲で日常生活を送ることが大切です。もし、症状が悪化するようであれば、すぐに医療機関を受診しましょう。
痛みを緩和する方法
肩関節周囲炎の痛みを緩和するためには、病期に応じた適切な対処法が重要です。
急性期には、炎症を抑えるために、患部を冷やすことが効果的です。アイスパックや保冷剤をタオルで包み、15分程度、肩に当てると良いでしょう。また、安静を保つことも重要です。無理な運動やストレッチは避け、肩を休ませるようにしましょう。
慢性期には、温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることが効果的です。温湿布や入浴などで肩を温めると良いでしょう。ただし、炎症が強い場合は、温めすぎに注意が必要です。
軽いストレッチや振り子体操などの運動療法も、痛みを緩和するのに役立ちます。ただし、無理のない範囲で行い、痛みを感じたらすぐに中止しましょう。
市販の鎮痛剤や湿布なども、痛みを緩和するために有効です。ただし、これらの薬は一時的な効果しかありませんので、根本的な治療を行うことが重要です。
痛みが強い場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

夜間痛対策
肩関節周囲炎の夜間痛は、睡眠を妨げ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
夜間痛を軽減するためには、楽な姿勢で寝ることが重要です。
仰向けで寝る場合は、肩の下にタオルやクッションを挟むと、肩への負担を軽減することができます。横向きで寝る場合は、痛くない方の肩を下にして寝るようにしましょう。
枕の高さを調整することも重要です。高すぎる枕や低すぎる枕は、首や肩に負担をかけ、痛みを悪化させる可能性があります。自分に合った高さの枕を選びましょう。
肩を温めることも、夜間痛を軽減するのに役立ちます。寝る前に、温湿布や蒸しタオルなどで肩を温めると良いでしょう。
痛みが強い場合は、医師に相談し、適切な鎮痛剤を服用することも検討しましょう。ただし、鎮痛剤は一時的な効果しかありませんので、根本的な治療を行うことが重要です。
寝る前にリラックスすることも、夜間痛を軽減するのに役立ちます。軽いストレッチや瞑想などを行い、心身をリラックスさせましょう。
効果的なリハビリテーション
時期別のリハビリ
肩関節周囲炎のリハビリテーションは、病期に応じて適切な方法を選択することが重要です。
炎症期(急性期) | アイシング | 炎症を抑えることを目的としたリハビリを行う。 無理な運動やストレッチは避け、肩を休ませることが大切。 |
安静 | ||
拘縮期(慢性期) | 可動域訓練 | 理学療法士の指導のもと、徐々に肩の可動域を広げていく運動。 |
温熱療法 | ホットパックや超音波などを用いて、肩を温めることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる治療法。 | |
回復期 | 筋力 トレーニング | 肩周辺の筋肉を強化することで、肩関節の安定性を高める効果。 |
日常生活動作の 練習 | 服の脱ぎ着や洗髪など、日常生活に必要な動作をスムーズに行えるようにするための練習。 |
自宅でできる運動療法
肩関節周囲炎の改善には、自宅でできる運動療法も効果的です。代表的な運動療法としては、振り子運動、タオルを使ったストレッチ、壁を使ったストレッチなどがあります。
振り子運動は、腕をダランと下げて、前後左右にゆっくりと振る運動です。肩の力を抜き、リラックスして行うことがポイントです。
タオルを使ったストレッチは、タオルを両手で持ち、背中の後ろでタオルを引っ張る運動です。肩甲骨を意識して行うと、より効果的です。
壁を使ったストレッチは、壁に手をつき、体をゆっくりとひねる運動です。肩や胸の筋肉を伸ばすことができます。
これらの運動療法は、無理のない範囲で、毎日継続することが大切です。痛みを感じたら、すぐに中止しましょう。
運動療法を行う際には、正しい姿勢で行うことが重要です。姿勢が悪いと、肩に余計な負担がかかり、痛みを悪化させる可能性があります。運動療法を行う前に、理学療法士などの専門家から指導を受けることをお勧めします。

医療機関での治療
薬物療法
肩関節周囲炎の治療において、薬物療法は痛みを緩和し、炎症を抑えるために重要な役割を果たします。一般的に、痛み止め(鎮痛剤)や湿布などの外用薬、内服薬が用いられます。
鎮痛剤としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がよく使用されます。NSAIDsは、炎症を抑えるとともに、痛みを和らげる効果があります。ただし、胃腸障害などの副作用があるため、医師の指示に従って服用する必要があります。
湿布は、患部に直接貼ることで、痛みを和らげる効果があります。温湿布と冷湿布があり、症状に合わせて使い分けます。内服薬としては、筋肉の緊張を和らげる薬や、神経の痛みを抑える薬などが用いられることがあります。
炎症が強い場合は、ステロイド注射を行うこともあります。ステロイド注射は、炎症を強力に抑える効果がありますが、副作用のリスクもあるため、慎重に使用する必要があります。
薬物療法は、症状を緩和するための対症療法であり、根本的な治療ではありません。そのため、運動療法や物理療法などと組み合わせて行うことが重要です。
手術療法
肩関節周囲炎の治療において、保存療法(薬物療法、運動療法、物理療法など)で十分な改善が見られない場合、手術療法が検討されることがあります。手術療法としては、関節鏡手術が一般的です。
関節鏡手術は、小さな切開から関節鏡と呼ばれるカメラを挿入し、モニターで関節内部の状態を確認しながら行う手術です。関節鏡手術では、炎症を起こしている組織を切除したり、関節の動きを妨げている靭帯を切離したりすることができます。
予防と再発防止
予防策
肩関節周囲炎を予防するためには、日頃から肩周りのストレッチや運動を行い、肩関節の柔軟性を保つことが大切です。ストレッチは、肩甲骨を意識して行うと、より効果的です。例えば、腕を大きく回したり、肩をすくめたりする運動などがおすすめです。
また、長時間同じ姿勢を続けることを避け、適度に休憩を挟むようにしましょう。デスクワークをする場合は、1時間に1回程度、立ち上がって肩を回したり、ストレッチをしたりすると良いでしょう。重い荷物を持つことも、肩に負担をかけるため避けるべきです。
買い物をする際は、カートを利用したり、荷物を分散させたりするなどの工夫をしましょう。冷えも肩関節周囲炎の原因となることがありますので、体を冷やさないように注意しましょう。
特に、夏場は冷房で体が冷えやすいので、薄手のカーディガンなどを羽織るようにしましょう。適度な運動も、肩関節周囲炎の予防に効果的です。ウォーキングや水泳などの全身運動は、血行を促進し、筋肉を柔らかく保つ効果があります。

定期的なケア
肩に違和感を感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。早期に治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、早期回復につながります。
また、リハビリテーションを継続することで、再発を予防することができます。リハビリテーションでは、肩関節の可動域を維持し、肩周辺の筋肉を強化する運動を行います。自宅でできる運動療法も指導してもらえますので、積極的に取り組むようにしましょう。
肩関節周囲炎は、一度治っても再発しやすい病気です。そのため、日頃から肩周りのケアを継続することが大切です。ストレッチや運動を習慣にし、肩に負担をかけないように注意しましょう。また、定期的に医療機関を受診し、肩の状態をチェックしてもらうことも重要です。
肩関節周囲炎は、適切なケアを行うことで、再発を予防し、快適な生活を送ることができます。少しでも肩に違和感を感じたら、放置せずに、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、適切な対処とケアを行うことで、症状を緩和し、日常生活への支障を最小限に抑えることができます。
初期症状に気づいたら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
治療法としては、薬物療法、運動療法、物理療法、手術療法などがあり、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。
日常生活では、無理な動作を避け、痛みを緩和する方法を実践することが大切です。また、リハビリテーションを継続することで、肩関節の機能を回復させ、再発を予防することができます。
痛みに悩まず、快適な生活を送るために、本記事で紹介した対策を参考にしてみてください。専門家のサポートも積極的に活用しましょう。肩関節周囲炎は、適切な治療とケアを行うことで、必ず改善することができます。諦めずに、積極的に治療に取り組みましょう。
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