肩関節周囲炎(五十肩四十肩)でも運動はOK? 専門家が教える適切な運動療法と注意点
- 4月25日
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肩関節周囲炎(五十肩、四十肩)と診断されたとき、運動をしていいのか悩む方は多いはず。この記事では、五十肩の病期に合わせた適切な運動療法と、運動する際の注意点を専門家が解説します。
整形外科で8年間勤務して、専門学校で非常勤講師をしながら整骨院,整体院をしている医療従事者が詳しく解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
目次
・五十肩の定義と症状
・五十肩と肩こりの違い
・五十肩のセルフチェック
・急性期:炎症を抑えることが最優先
・慢性期:痛みに合わせた運動療
・回復期:積極的に肩を動かす
・無理のない範囲で
・専門家の指導を受ける
・痛みが強い場合は医療機関へ
・内服薬
・外用薬
・適切な治療とリハビリテーション
・日常生活での注意点
・あきらめずに根気強く
肩関節周囲炎(五十肩、四十肩)とは?
五十肩四十肩の定義と症状
肩関節周囲炎、いわゆる五十肩、四十肩は、肩の痛みと運動制限を引き起こす一般的な疾患です。
原因は様々ですが、加齢に伴う組織の変化や、肩の使いすぎなどが考えられます。初期には強い痛みがあり、徐々に肩の可動域が制限されるのが特徴です。
五十肩四十肩と肩こりの違い
肩こりは筋肉の緊張による不快感が主ですが、五十肩は関節の炎症や拘縮が原因です。
五十肩では、肩を動かす際に激しい痛みが生じたり、特定の方向に腕を上げることが困難になったりします。
五十肩のセルフチェック
五十肩かどうか気になる場合は、腕を上げる、後ろに回すなどの動作で痛みや可動域制限がないか確認してみましょう。

肩関節周囲炎の病期と運動療法の基本
急性期:炎症を抑えることが最優先
急性期は炎症が強く、安静が第一です。無理に動かすと炎症が悪化する可能性があります。アイシングや痛み止め、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
慢性期:痛みに合わせた運動療法
痛みが落ち着いてきたら、徐々に運動療法を開始します。まずは、温熱療法で肩を温め、筋肉の緊張を和らげましょう。無理のない範囲で、振り子運動やストレッチなどを行います。
慢性期では、肩関節の可動域を広げることと、 痛みの軽減を目的とした運動療法が中心となります。温熱療法は、血行を促進し、筋肉をリラックスさせる効果が期待できます。
具体的な運動としては、壁に手をついて腕をゆっくりと上げる運動や、タオルを使ったストレッチなどが有効です。
これらの運動は、肩甲骨周りの筋肉をほぐし、肩関節の動きをスムーズにするのに役立ちます。ただし、痛みを感じる場合は無理に行わず、 痛みのない範囲でゆっくりと行うことが重要です。

回復期:積極的に肩を動かす
回復期には、積極的に肩を動かして可動域を広げることが重要です。専門家(理学療法士など)の指導のもと、筋力トレーニングやストレッチを行いましょう。
回復期は、肩関節の可動域を最大限に広げ、 日常生活での動作を円滑に行えるようにすることを目標とします。
この時期には、筋力トレーニングを取り入れることも重要です。 例えば、軽いダンベルを使った運動や、 セラバンドを使った抵抗運動などが効果的です。
これらの運動は、肩周りの筋肉を強化し、 肩関節を安定させるのに役立ちます。 また、ストレッチも継続して行い、 肩関節の柔軟性を維持することが大切です。
専門家である理学療法士の指導のもと、 個々の状態に合わせた運動プログラムを作成し、 安全かつ効果的にリハビリを進めていくことが望ましいです。
運動療法の注意点
無理のない範囲で
痛みを感じたらすぐに中止し、無理のない範囲で行いましょう。
我慢して運動を続けると、症状が悪化する可能性があります。 運動療法を行う上で最も重要なことは、無理をしないことです。 痛みを感じたら、それは身体からの警告サインです。
そのサインを無視して運動を続けると、炎症が悪化したり、筋肉や靭帯を損傷したりする可能性があります。 運動は、痛みを感じない範囲で、ゆっくりと、 そして丁寧に行うように心がけましょう。
もし、運動中に痛みを感じたら、 すぐに運動を中止し、休息を取ることが大切です。
そして、必要であれば、医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。
専門家の指導を受ける
自己流の運動は、かえって症状を悪化させることもあります。専門家(理学療法士など)に相談し、適切な運動療法を指導してもらいましょう。
自己判断で運動を行うことは、 症状を悪化させるリスクがあります。 肩関節周囲炎の状態は人それぞれ異なり、適切な運動療法も個々の状態に合わせて調整する必要があります。
理学療法士、整体師は、肩関節の構造や機能、 そして運動療法に関する専門的な知識を持っています。相談することで、 自分の状態に合った運動プログラムを作成してもらい、 安全かつ効果的にリハビリを進めることができます。
また、運動の正しいフォームや注意点なども教えてもらえるため、 安心して運動に取り組むことができます。
痛みが強い場合は医療機関へ
痛みが強い場合は、運動療法を一時中断し、医療機関を受診しましょう。注射や内服薬などの治療が必要な場合もあります。
強い痛みがある場合は、炎症が強く出ている可能性があります。 このような状態で無理に運動療法を行うと、 炎症を悪化させ、痛みをさらに増強させてしまうことがあります。
まずは医療機関を受診し、 医師の診察を受けて、適切な治療を受けることが大切です。 鎮痛剤や湿布などの処方、場合によっては注射などの治療が必要となることもあります。
痛みが落ち着いてから、 医師や理学療法士と相談し、 適切な運動療法を再開するようにしましょう。
五十肩の痛みを緩和する市販薬
内服薬
イブプロフェンなどの消炎鎮痛成分が入ったものがおすすめ。消炎鎮痛剤は炎症を早く引かせてくれて痛みが軽減します。
痛みの間隔を不用意に止めてしまうものではないため、うずくような痛みがあるときには服用するといいと当院でも説明をしています。
アリナミンなどのビタミン剤は、神経や筋肉の機能をサポートし、痛みの緩和に役立つことがあります。服用前に薬剤師や医師に相談しましょう。
ビタミン剤、特にビタミンB群は、 神経や筋肉の機能を正常に保つために重要な役割を果たします。 肩
関節周囲炎に伴う痛みは、神経の炎症や筋肉の緊張が原因となっていることもあります。 ビタミン剤を服用することで、 これらの症状を緩和する効果が期待できます。
ただし、市販薬を服用する際は、 必ず薬剤師や医師に相談し、 自分の症状に合ったものを選ぶようにしましょう。また、用法・用量を守って正しく服用することも大切です。
外用薬
湿布や塗り薬は、患部の炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。メントールやインドメタシンなどの成分が含まれているものを選ぶと良いでしょう。
湿布や塗り薬は、患部に直接作用し、 炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。 メントールは、清涼感を与え、 痛みを紛らわせる効果があります。
一方、インドメタシンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で、 炎症の原因となる物質の生成を抑える効果があります。これらの成分が含まれている湿布や塗り薬を選ぶことで、 より効果的に痛みを緩和することができます。
皮膚の弱い方は、かぶれなどの症状が出ることがあるため、 使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。
五十肩と上手く付き合うために
適切な治療とリハビリテーション
五十肩は放置すると、可動域制限が残る可能性があります。
早期に適切な治療とリハビリテーションを開始することが大切です。 肩関節周囲炎を放置すると、肩関節の可動域制限が残ってしまう可能性があります。
これは、炎症が慢性化し、 関節包や周囲の組織が拘縮してしまうことが原因です。
早期に適切な治療とリハビリテーションを開始することで、 炎症を抑え、拘縮を防ぎ、 肩関節の可動域を回復させることができます。
治療としては、薬物療法や注射、リハビリテーションとしては、運動療法や物理療法などがあります。
炎症期といわれる時期は、夜中痛い、目が覚める、安静にしていても痛いことが特徴で、過去の報告では下の図のように、炎症期が早く改善できると全体の治る期間が早まるといわれています。
当院でもいかに早く炎症期が終わるかを意識して、患者さんにも共有して、炎症期が早く終わるように協力をしてもらっています。

日常生活での注意点
重いものを持つ、無理な姿勢をとるなど、肩に負担をかける動作は避けましょう。また、冷えは痛みを悪化させるため、肩を温めるように心がけましょう。
日常生活の中で、肩に負担をかける動作はできるだけ避けましょう。 重いものを持つ、無理な姿勢をとる、 長時間同じ姿勢を続けるなどは、肩関節に負担をかけ、痛みを悪化させる原因となります。
また、冷えは血行を悪くし、 筋肉を緊張させるため、痛みを悪化させる可能性があります。
肩を温めるように心がけ、 特に寒い時期は、 マフラーやショールなどで肩を冷やさないようにしましょう。 入浴やシャワーで体を温めることも効果的です。

あきらめずに根気強く
五十肩の治療には時間がかかることもありますが、あきらめずに根気強く運動療法を続けることが大切です。
肩関節周囲炎の治療には、時間がかかることがあります。症状の程度や個人の状態によって、 数ヶ月から1年以上かかることもあります。
しかし、あきらめずに根気強く運動療法を続けることが大切です。運動療法は、肩関節の可動域を広げ、 痛みを軽減する効果があります。 毎日続けることで、少しずつ効果が現れてきます。
焦らず、ゆっくりと、自分のペースで運動療法を続けていきましょう。
まとめ
五十肩は適切な運動療法で改善が見込めます。病期に合わせた運動を行い、痛みが強い場合は医療機関を受診しましょう。アリナミンなどの市販薬も痛みの緩和に役立ちます。あきらめずに根気強く治療を続けましょう。
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出典・間接引用
だて整形外科リハビリテーションクリニック
肩関節周囲炎と運動:適切な運動の選択と注意点
日本理学療法士協会
シリーズ 13 肩関節周囲炎






