top of page

なぜ股関節は変形する?原因から考える予防と対策

  • 6月9日
  • 読了時間: 13分
股関節変形アイキャッチ

股関節の変形は、痛みや可動域の制限を引き起こし、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。


この記事では、股関節が変形する原因を詳しく解説し、予防と対策についてご紹介します。


変形性股関節症、先天性股関節脱臼、臼蓋形成不全などのキーワードについても触れ、股関節の健康を維持するための情報を提供します。


整形外科で8年間勤務して、専門学校で非常勤講師をしながら整骨院,整体院をしている医療従事者が詳しく解説します。



この記事の監修者情報

記事の監修者の顔
吉原 稔

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)

柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)

NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)

経歴

2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック

2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック

2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院

2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師

2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師

2024~現在   福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師


目次

・軟骨の摩耗と変形のメカニズム

・変形性股関節症の進行度合い

・初期症状を見逃さないためのチェックポイント

・臼蓋形成不全とは?

・先天性股関節脱臼の影響

・日本人に多い骨盤の形状

・加齢による軟骨の変化

・体重増加と股関節への負担

・重労働やスポーツによる股関節への影響

・股関節に優しい生活習慣

・股関節を温める?冷やす?症状に合わせた対処法

・専門家による治療:理学療法と手術

・早期発見と対策の重要性



股関節の変形性股関節症とは?


軟骨の摩耗と変形のメカニズム


股関節の軟骨は、骨同士が直接ぶつからないようにクッションの役割を果たしています。


この重要な組織が摩耗し、変形することで、変形性股関節症が引き起こされます。


軟骨は、荷重を分散させ、関節の動きをスムーズにする役割を担っていますが、


その機能が損なわれると、痛みや機能障害が生じます


軟骨の摩耗は、様々な要因によって進行します。長年の使用による経年劣化、過剰な負荷、加齢などが主な原因として挙げられます。


初期段階では、軟骨の表面がわずかに傷つき、徐々にその範囲が広がっていきます。


進行すると、軟骨が薄くなり、最終的には骨同士が直接ぶつかり合うようになります。


この状態になると、激しい痛みが生じ、日常生活に大きな支障をきたします。


軟骨には血管や神経が通っていないため、一度損傷すると自己修復が難しく、


進行を食い止めるためには早期の対策が不可欠です。


軟骨の状態を維持し、変形を防ぐためには、適切な運動、体重管理、


そして必要に応じた医療的介入が重要となります。


股関節の軟骨がすり減っている図


変形性股関節症の進行度合い


変形性股関節症は、その進行度合いによって、初期、進行期、末期の3つの段階に分けられます。


それぞれの段階で症状や治療法が異なり、早期発見と適切な対応が重要となります。


初期では、運動後や長時間の歩行後に軽い痛みを感じることがあります。


この段階では、痛みは一時的であり、安静にすることで改善することが多いです。


しかし、放置すると徐々に進行し、痛みの頻度や程度が増していきます。


進行期に入ると、痛みが強くなり、日常生活にも支障が出始めます。


階段の上り下りや、立ち上がり、歩行などが困難になることがあります。


また、股関節の可動域が制限され、動きがぎこちなくなることもあります。


末期では、安静時にも痛みが生じ、股関節の可動域が著しく制限されます。日常生活動作が著しく困難になり、歩行が困難になることもあります。


変形性股関節症の進行度合いは、レントゲン検査やMRI検査によって確認することができます。


これらの画像検査によって、軟骨の摩耗具合や骨の変形などを評価し、適切な治療方針を決定します。


定期的な検査を受け、病状の進行を把握することが大切です。



初期症状を見逃さないためのチェックポイント


変形性股関節症の初期症状は、見過ごされやすいことがあり、早期発見のためには、日頃から股関節の状態に注意を払うことが重要です。


以下に示すチェックポイントを参考に、ご自身の股関節の状態を確認してみましょう。


  ☑ 立ち上がりや歩き始めに股関節に痛みを感じる


  ☑ 朝起きたときや、長時間座っていた後に痛みを感じる


  ☑ 階段の上り下りがつらいと感じる


  ☑ 靴下を履くのが困難


これは、股関節の可動域が制限されていることを示す兆候です。


股関節の可動域が狭くなっていると感じる場合、股関節の変形が進行している可能性があります


股関節を動かせる範囲が狭くなっていると感じたら、専門医に相談しましょう。


これらの症状に気づいたら、整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。


早期に適切な治療を開始することで、変形性股関節症の進行を遅らせ、症状を緩和することができます。




股関節変形の原因:先天的な要因


臼蓋形成不全とは?


臼蓋形成不全とは、股関節の屋根である臼蓋の発育が不十分な状態を指します。


正常な股関節では、臼蓋が大腿骨頭をしっかりと覆い、安定性を保っています。


しかし、臼蓋形成不全の場合、臼蓋が浅いために大腿骨頭を十分に覆うことができず、


股関節に不安定性が生じます


この不安定性が、軟骨への過剰な負荷となり、変形性股関節症の発症を招くことがあります。


臼蓋形成不全は、変形性股関節症の主要な原因の一つであり、


特に若い女性に多く見られます。


原因は、遺伝的な要因や胎内での股関節の発育異常などが考えられています。


臼蓋形成不全の程度は、レントゲン検査やCT検査によって評価することができます。


診断された場合は、症状や年齢などを考慮して、適切な治療法を-選択します。


治療法としては、保存療法(運動療法や装具療法)や手術療法(骨切り術など)があります。


早期に診断し、適切な治療を行うことで、変形性股関節症への進行を遅らせることが可能です。



先天性股関節脱臼の影響


先天性股関節脱臼は、生まれたときから股関節が正常な位置にない状態を指します。


本来、大腿骨頭は臼蓋にしっかりと収まっているべきですが、


脱臼している場合は、臼蓋から外れていたり、不安定な状態にあります。


早期に治療を行わないと、股関節の発育が阻害され、


将来的に変形性股関節症を発症するリスクが高まります。


乳幼児期に股関節の開きが悪かったり、左右の足の長さが異なったりする場合は、


先天性股関節脱臼の可能性を考慮し、専門医の診察を受けるようにしましょう。


治療法としては、リーメンビューゲルなどの装具を用いて、


股関節を正しい位置に保つ方法が一般的です。


早期に適切な治療を行うことで、股関節の正常な発育を促し、


将来的な変形性股関節症のリスクを軽減することができます。


放置すると、歩行障害や痛みを引き起こす可能性があるので、


早期発見と早期治療が非常に重要です。


定期的な乳幼児健診を受け、股関節の状態をチェックしてもらうことが大切です。



日本人に多い骨盤の形状


日本人は、欧米人に比べて骨盤が横に広い傾向があります。


この骨盤の形状の違いが、股関節への負担に影響を与え、


変形性股関節症の発症リスクを高める一因となっていると考えられています。


骨盤が横に広いと、股関節にかかる力学的ストレスが増大し、


軟骨の摩耗を促進する可能性があります。


そのため、日本人は変形性股関節症を発症しやすいと考えられています。


特に、正座やあぐらなど、股関節に負担のかかる姿勢を長時間続けることは避けるようにしましょう。


これらの姿勢は、股関節を深く曲げたり、内側に捻ったりするため、軟骨への負担が大きくなります。


日常生活では、股関節に負担のかからない姿勢を心がけ、適度な運動を行うことが大切です。


また、肥満は股関節への負担を増大させるため、適正体重を維持することも重要です。


日頃から股関節に優しい生活習慣を心がけることで、


変形性股関節症の発症リスクを軽減することができます。



股関節変形の原因:後天的な要因と日常生活の注意点


加齢による軟骨の変化


加齢に伴い、軟骨の水分量が減少し、弾力性が失われます。



これは、軟骨を構成するプロテオグリカンの減少が原因です。


プロテオグリカンは、軟骨に水分を保持する役割を担っており、


その減少によって軟骨は柔軟性を失い、衝撃吸収能力が低下します。


これにより、軟骨が摩耗しやすくなり、変形性股関節症のリスクが高まります。


加齢による軟骨の変化は、誰にでも起こりうる自然な現象ですが、


適切な対策を講じることで、進行を遅らせることができます。


例えば、適度な運動は、軟骨への血流を促進し、栄養を供給する効果があります。


また、バランスの取れた食事は、軟骨の健康を維持するために必要な栄養素を補給することができます。


さらに、サプリメント(グルコサミンやコンドロイチンなど)の摂取も、


軟骨の保護に役立つ可能性があります。


ただし、サプリメントの効果には個人差があるため、医師や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。


日頃から軟骨に優しい生活習慣を心がけることが、変形性股関節症の予防につながります。



体重増加と股関節への負担


体重が増加すると、股関節にかかる負担が大きくなり、軟骨の摩耗を促進します。


股関節は、体重を支え、歩行や運動などの動作を円滑に行うための重要な関節です。


そのため、体重が増加すると、股関節には常に大きな負荷がかかることになります。


特に、肥満体型の方は、股関節への負担が大きいため、変形性股関節症を発症しやすい傾向があります。


体重増加は、軟骨への直接的な圧迫だけでなく、関節周囲の筋肉や靭帯への負担も増大させ、


関節の安定性を損なう可能性があります。


適正体重を維持し、股関節への負担を軽減することが重要です。


そのためには、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることが大切です。


食事では、高カロリーな食品を避け、野菜や果物、タンパク質を積極的に摂取するようにしましょう。


運動は、ウォーキングや水泳など、股関節に負担の少ないものを選ぶと良いでしょう。


無理なダイエットは、栄養不足を招き、軟骨の健康を損なう可能性があるため、避けましょう。



重労働やスポーツによる股関節への影響


重労働や激しいスポーツは、股関節に過剰な負担をかけ、軟骨の摩耗を促進する可能性があります。


特に、ジャンプや着地を繰り返すスポーツや、股関節を大きく動かすスポーツは、注意が必要です。


これらの運動は、股関節に強い衝撃を与え、軟骨を損傷するリスクを高めます。


また、不適切なフォームでの運動は、股関節への負担をさらに増大させる可能性があります。


運動前後のストレッチやウォーミングアップをしっかりと行い、股関節を保護するように心がけましょう。


ストレッチは、股関節周囲の筋肉を柔軟にし、関節の可動域を広げる効果があります。


ウォーミングアップは、関節の血流を促進し、運動への準備を整える効果があります。


運動後には、クールダウンを行い、筋肉の疲労を回復させることが大切です。


また、運動中に痛みを感じたら、無理をせずに休息し、必要であれば専門医に相談するようにしましょう。


適切な運動とケアを行うことで、股関節への負担を軽減し、変形性股関節症のリスクを下げることができます。



股関節の痛みを軽減するためのセルフケアと治療法


股関節に優しい生活習慣


日常生活の中で、股関節に負担をかけないように心がけることが大切です。


日々の積み重ねが、股関節の健康を維持するために重要となります。


例えば、椅子に座る際は、深く腰掛けずに、背筋を伸ばして座るようにしましょう。


猫背の姿勢は、骨盤を後傾させ、股関節への負担を増大させます。


正しい姿勢を保つことで、股関節への負担を軽減することができます。


正しい姿勢の図

また、重い荷物を持つ際は、できるだけ体に近づけて持つようにしましょう。


重い荷物を体から離して持つと、股関節への負担が大きくなります。


その他、和式トイレを避け、洋式トイレを使用する、正座やあぐらを長時間続けない、高いところから飛び降りないなども、股関節に優しい生活習慣と言えます。


また、床に座る際は、座椅子やクッションを使用するなど、股関節への負担を軽減する工夫をしましょう。


日頃から股関節に優しい生活習慣を心がけることで、変形性股関節症の予防や症状の緩和に繋がります。



股関節を温める?冷やす?症状に合わせた対処法


股関節の痛みが強い場合は、炎症を抑えるために冷やすのが効果的です。


炎症が起きている場合は、患部が熱を持ち、腫れていることがあります。


このような場合は、氷嚢や冷却シートなどを当てて、15〜20分程度冷やしましょう。


冷やすことで、血管が収縮し、炎症を抑制することができます。


一方、慢性的な痛みやこわばりがある場合は、温めることで血行が促進され、痛みが和らぐことがあります。


温めることで、筋肉がリラックスし、関節の動きがスムーズになります。


入浴や蒸しタオルなどで温めてみましょう。


ただし、温めすぎると炎症が悪化する可能性があるので、注意が必要です。


温湿布を使用する場合は、低温やけどに注意しましょう。


どちらの方法が効果的かは、個人の症状によって異なります。


痛みの種類や状態をよく観察し、適切な対処法を選択することが大切です。


迷った場合は、専門医に相談し、アドバイスを受けるようにしましょう。


お風呂に入っている人の図

専門家による治療:理学療法と手術


理学療法では、股関節周囲の筋肉を強化し、関節の可動域を広げるための運動療法を行います。


筋力トレーニングによって、股関節を安定させ、負担を軽減することができます。


また、ストレッチによって、関節の柔軟性を高め、動きをスムーズにすることができます。


理学療法士は、個々の患者の状態に合わせて、最適な運動プログラムを作成し、指導を行います。


また、杖や装具を使用することで、股関節への負担を軽減することができます。


杖は、歩行時の体重を分散させ、股関節への負担を軽減する効果があります。


装具は、股関節を安定させ、正しい姿勢を保つ効果があります。


手術が必要な場合は、人工股関節置換術などの手術が行われます。


人工股関節置換術は、痛みを軽減し、日常生活を取り戻すための有効な手段です。


手術では、傷んだ股関節を人工の関節に置き換えます。


手術後には、リハビリテーションを行い、人工関節の機能を回復させることが重要です。


手術の適応は、患者の状態や年齢などを考慮して、慎重に判断されます。




まとめ:股関節の健康を維持するために


早期発見と対策の重要性


股関節の変形は、早期に発見し、適切な対策を講じることで、進行を遅らせることができます。


早期発見のためには、日頃から股関節の状態に注意を払い、違和感や痛みを感じたら、


早めに専門医に相談するようにしましょう。


専門医は、適切な検査を行い、正確な診断を下し、最適な治療法を提案してくれます。


また、生活習慣の改善や運動療法を継続することで、股関節の健康を維持することができます。


生活習慣の改善としては、適正体重の維持、股関節に優しい姿勢の心がけ、バランスの取れた食事などが挙げられます。


運動療法としては、股関節周囲の筋肉を強化する運動や、関節の可動域を広げるストレッチなどが有効です。


これらの対策を継続することで、変形性股関節症の進行を遅らせ、痛みを軽減し、日常生活の質を向上させることができます。


股関節の健康は、Quality of Life(生活の質)に大きく影響します。いつまでも自分の足で歩き、活動的な生活を送るために、股関節の健康維持に努めましょう。




佐賀県佐賀市で、症状の根本改善を目指す整体・整骨院をお探しの方へ。


 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院では、国家資格者による本格整体と丁寧な検査・説明を行い、


 あなたの体質や姿勢から根本原因を明確にします。


LINE登録案内
LINE登録案内2

LINE登録バナー


当院のメニュー表はこちら

料金表

店舗の場所はこちら

店舗情報、アクセス

出典・間接引用


 足立慶友整形外科

  股関節の変形症における原因と予防法


 世田谷人工関節・脊椎クリニック

  股関節はなぜ変形が起きるのか?

bottom of page