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肘の痛みの原因と対策:骨の痛み、テニス肘、野球肘について解説

  • 執筆者の写真: よし 整骨院
    よし 整骨院
  • 1 日前
  • 読了時間: 9分


肘の痛み、特に骨を押さえた時の痛みは、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。この記事では、肘の痛みの原因となりうるテニス肘(上腕骨外側上顆炎)、野球肘、変形性肘関節症など、様々な状態について解説します。痛みの原因を理解し、適切な対策を取りましょう。


この記事の監修者情報

記事の監修者の顔
吉原 稔

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)

柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)

NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)

経歴

2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック

2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック

2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院

2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師

2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師

2024~現在   福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師


目次

肘の痛みの原因を探る:考えられる病気

・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは

・野球肘とは

・変形性肘関節症とは

肘の痛みの診断方法

・問診と触診

・画像検査

・神経学的検査

肘の痛みの治療法

・保存療法

・リハビリテーション

・手術療法

日常生活での注意点

・正しいフォーム

・適切な休息

・ストレッチ

まとめ:肘の痛みを放置せず、適切なケアを


肘の痛みの原因を探る:考えられる病気

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)とは

テニス肘、正式には上腕骨外側上顆炎は、肘の外側に痛みが生じる一般的な疾患です。名前の通り、テニスをする人に多く見られますが、テニスをする人だけが発症するわけではありません。手首や指を繰り返し使う作業、例えば、パソコン作業や料理、DIYなどでも発症する可能性があります。

この疾患は、肘の外側にある上腕骨外側上顆という骨の突起に、手首を反らす筋肉が付着している部分で炎症が起こることで発生します。繰り返しの使用によって筋肉が付着する部分に微小な損傷が生じ、炎症や痛みを引き起こします。痛みの程度は人それぞれで、軽い痛みから日常生活に支障をきたすほどの強い痛みまで様々です。早期の適切な対応が重要となります。


野球肘とは

野球肘は、野球の投球動作を繰り返すことによって肘に過度な負担がかかり、痛みや炎症が生じる状態を指します。特に成長期の子供たちによく見られる症状で、骨や軟骨がまだ完全に発達していないため、過度な負担によって損傷を受けやすいのが特徴です。しかし、大人でも不適切な投球フォームや過度な練習によって発症することがあります。

野球肘は、痛む場所によって内側型、外側型、後方型に分類されます。内側型は肘の内側の靭帯や筋肉が損傷することで起こり、外側型は肘の外側の軟骨や骨が損傷することで起こります。後方型は肘の後ろ側の骨や軟骨が損傷することで起こります。早期発見と適切な治療が、将来的な野球জীবন продолжитсяのために非常に重要です。


変形性肘関節症とは

変形性肘関節症は、肘関節の軟骨が長年の使用や怪我などによって徐々にすり減り、関節に変形が生じる疾患です。軟骨は、骨と骨の間にあるクッションのような役割を果たしており、関節の動きを滑らかにする働きがあります。しかし、加齢や過去の肘の怪我、繰り返しの負担などによって軟骨がすり減ってしまうと、骨同士が直接ぶつかり合うようになり、痛みや炎症を引き起こします。

変形性肘関節症の主な症状としては、肘の痛み、可動域制限、関節の変形などが挙げられます。初期の頃は、肘を動かす際に軽い痛みを感じる程度ですが、進行すると安静時にも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたすこともあります。また、肘の可動域が制限され、肘を完全に伸ばしたり曲げたりすることが困難になることもあります。早期の診断と適切な治療が重要です。


肘の痛みの診断方法

問診と触診

肘の痛みの診断において、問診と触診は非常に重要な初期段階です。問診では、医師が患者さんに対して、痛みの具体的な症状、発生時期、痛みの性質、痛む場所、痛みを誘発する動作などについて詳しく質問します。例えば、「いつから痛み始めたのか」「どのような時に痛みを感じるのか」「どのような種類の痛みなのか」といった質問を通して、痛みの原因を特定するための手がかりを探ります。

触診では、医師が患者さんの肘を実際に触って、痛みの場所や範囲、腫れ、熱感、圧痛の有無などを確認します。また、肘の可動域を調べたり、特定の方向に力を加えることで痛みが誘発されるかどうかを確認したりします。これらの情報と合わせて、痛みの原因を絞り込んでいきます。


画像検査

画像検査は、肘の痛みの原因を特定するために非常に有効な手段です。レントゲン検査、MRI検査、CT検査などが用いられます。レントゲン検査は、骨の状態を詳しく観察するのに適しており、骨折、変形、関節の隙間の狭まりなどを確認することができます。比較的簡便に行えるため、初期の検査としてよく用いられます。

MRI検査は、レントゲン検査では確認できない靭帯、軟骨、筋肉などの軟部組織の状態を詳細に評価することができます。靭帯損傷、軟骨損傷、炎症などを確認するのに非常に有効です。CT検査は、骨の状態をより詳細に確認することができ、複雑な骨折や関節の変形などを評価するのに適しています。これらの画像検査の結果を総合的に判断し、正確な診断に繋げます。


神経学的検査

肘の痛みの原因が神経の圧迫や損傷によるものである可能性を考慮して、神経学的検査が行われることがあります。肘部管症候群のように、肘の内側を通る尺骨神経が圧迫されることで、肘から手にかけて痛みや痺れが生じることがあります。神経学的検査では、神経の走行に沿って感覚や運動機能を評価し、神経の異常を特定します。

具体的な検査としては、神経反射の検査、感覚検査、筋力検査などがあります。神経反射の検査では、特定の部位を叩打することで神経の反応を確認します。感覚検査では、触覚、痛覚、温度覚などの感覚が正常に伝わっているかを確認します。筋力検査では、特定の筋肉の力を測定し、神経の支配下にある筋肉が正常に機能しているかを確認します。これらの検査結果を総合的に判断し、神経に原因があるかどうかを判断します。


肘の痛みの治療法

保存療法

肘の痛みの治療において、保存療法は手術をせずに症状の改善を目指す方法です。初期段階で最も重要なのは、RICE処置と呼ばれる、安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)です。安静は、患部を動かさずに安静に保つことで、炎症の悪化を防ぎます。冷却は、氷嚢や冷却パックなどで患部を冷やすことで、痛みを和らげ、炎症を抑制します。圧迫は、包帯などで患部を圧迫することで、腫れを抑えます。挙上は、患部を心臓よりも高い位置に保つことで、腫れを軽減します。

また、痛み止めの内服薬や外用薬(湿布など)を使用することもあります。テニス肘バンドなどの装具を使用することで、肘への負担を軽減し、痛みを和らげる効果も期待できます。これらの保存療法を組み合わせることで、多くの肘の痛みが改善されます。


リハビリテーション

リハビリテーションは、肘の痛みを軽減し、機能回復を促進するために非常に重要な役割を果たします。専門家の指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動療法を行います。ストレッチは、肘周辺の筋肉や靭帯の柔軟性を高め、関節の可動域を改善する効果があります。筋力トレーニングは、肘周辺の筋肉を強化し、関節を安定させる効果があります。

具体的には、手首を反らす筋肉を伸ばすストレッチや、肘を曲げ伸ばしする筋肉を鍛えるトレーニングなどを行います。また、日常生活での動作指導も行い、肘に負担のかからない体の使い方を学びます。これにより、再発を予防し、長期的な改善を目指します。個々の症状や状態に合わせて、適切なリハビリテーションプログラムを作成し、実施することが重要です。


手術療法

保存療法を続けても症状が改善しない場合、手術療法が検討されることがあります。手術方法は、痛みの原因や状態によって異なります。例えば、テニス肘の場合、肘の外側にある腱の一部を切除したり、靭帯を修復したりする手術が行われます。野球肘の場合、肘の内側や外側の靭帯を再建したり、軟骨を修復したりする手術が行われます。

近年では、関節鏡視下手術という、小さな切開から関節鏡を挿入して行う手術も増えています。関節鏡視下手術は、従来のसर्जरीよりも傷が小さく、体への負担が少ないというメリットがあります。手術後は、リハビリテーションを行い、肘の機能回復を目指します。手術療法の選択は、医師との十分な相談の上で決定することが重要です。


日常生活での注意点

正しいフォーム

スポーツをする際に、正しいフォームを身につけることは、肘への負担を軽減し、怪我を予防するために非常に重要です。特に、テニスや野球など、肘を酷使するスポーツにおいては、フォームが肘の痛みに大きく影響します。自己流のフォームで練習を続けると、肘に過度な負担がかかり、痛みを引き起こす原因となります。

専門家の指導を受け、自分の体に合った正しいフォームを習得しましょう。正しいフォームを身につけることで、無駄な力を使わずに効率的な動きができるようになり、肘への負担を軽減することができます。また、フォームだけでなく、ウォーミングアップやクールダウンも丁寧に行うことが大切です。


適切な休息

肘に痛みを感じたら、無理をせずに適切な休息を取ることが重要です。痛みは、体からのSOSサインです。痛みを我慢して運動や作業を続けると、症状が悪化し、慢性的な痛みに繋がる可能性があります。初期の段階で休息を取ることで、炎症を抑え、組織の修復を促すことができます。

休息の期間は、痛みの程度や原因によって異なりますが、数日から数週間程度が目安となります。休息中は、肘をできるだけ安静に保ち、負担のかかる動作は避けるようにしましょう。また、冷却や圧迫などの処置を行うことで、痛みを和らげることができます。痛みが続く場合は、専門医を受診し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。


ストレッチ

日頃から肘のストレッチを行い、柔軟性を保つことは、肘への負担を軽減し、怪我の予防に繋がります。ストレッチは、筋肉や靭帯の柔軟性を高め、関節の可動域を広げる効果があります。肘周辺の筋肉が硬くなると、肘の動きが悪くなり、負担がかかりやすくなります。

簡単なストレッチとしては、腕を伸ばして手首を反らせたり、手首を内側に曲げたりするストレッチがあります。これらのストレッチを、1日に数回、数分程度行うことで、肘の柔軟性を保つことができます。ストレッチを行う際は、無理に伸ばしすぎないように注意し、痛みを感じたら中止するようにしましょう。継続的に行うことが大切です。


まとめ:肘の痛みを放置せず、適切なケアを

肘の痛みは、テニス肘、野球肘、変形性肘関節症など、様々な原因が考えられます。これらの疾患は、放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。そのため、肘に痛みを感じたら、早めに専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

診断には、問診、触診、画像検査などが行われます。治療法としては、保存療法、リハビリテーション、手術療法などがあります。日常生活では、正しいフォームを身につけ、適切な休息を取り、ストレッチを行うことが重要です。これらの注意点を守り、再発予防に努めましょう。早期発見と適切なケアが、肘の健康を守るために不可欠です。

 
 
 

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