足底筋膜炎・アキレス腱炎の徹底ガイド:原因、症状、治療、予防法を解説
- よし 整骨院
- 4月6日
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足底筋膜炎やアキレス腱炎でお悩みですか?この記事では、それぞれの症状、原因、治療法、そして日々の生活でできる予防策まで、専門家が徹底的に解説します。痛みの根本原因を知り、適切なケアで快適な毎日を取り戻しましょう。整形外科に8年間勤務した医療系国家資格もちの私が詳しく解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
足底筋膜炎とアキレス腱炎:知っておくべき基礎知識
足底筋膜とは?その構造と役割
足底筋膜は、足の裏に存在する強靭な線維性の組織であり、踵骨(かかとの骨)から足指の付け根にかけて扇状に広がっています。足底弓、いわゆる土踏まずを形成し、維持する上で非常に重要な役割を果たしています。歩行や走行といった動作において、足にかかる衝撃を吸収し、分散させるクッションのような役割を担い、足の安定性を保ち、効率的な体重移動をサポートすることで、スムーズな運動を可能にしています。足底筋膜は、足のアーチ構造を支えることで、身体全体のバランスを保つことにも貢献しています。この組織が正常に機能することで、足だけでなく、膝、腰、さらには全身の姿勢や運動能力に良い影響を与えます。
アキレス腱とは?その構造と役割
アキレス腱は、下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)というふくらはぎの筋肉が、踵骨(かかとの骨)に付着する部分に形成される、人体で最も太く、最も強力な腱の一つです。この腱は、歩行、走行、ジャンプなど、足を使うあらゆる動作において、非常に重要な役割を果たしています。
アキレス腱は、足関節の底屈(つま先を下げる動作)を可能にし、 これにより、歩行時に地面を蹴り出す力や、ジャンプ時に体を持ち上げる力を生み出します。また、走行時には、推進力を生み出すために不可欠な役割を果たします。 アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉からの力を足に伝え、効率的な運動をサポートするだけでなく、着地時の衝撃を吸収し、足関節や膝関節への負担を軽減する役割も担っています。


足底筋膜炎・アキレス腱炎、それぞれの症状の違い
足底筋膜炎とアキレス腱炎は、どちらも足の痛みとして現れますが、痛みの発生部位や症状の現れ方に明確な違いがあります。足底筋膜炎の主な症状は、かかとの骨の前内側部分や、土踏まずに沿った足底の痛みが特徴的です。 特に、朝起きた直後の一歩目や、長時間座っていた後に立ち上がった際に、強い痛みを感じることが多いです。 日中、活動しているうちに痛みは軽減することもありますが、 長時間の歩行や運動後には再び痛みが増すことがあります。
アキレス腱炎の場合、アキレス腱自体またはその周辺に痛みが生じます。 運動開始時や運動後に痛みが増悪することが多く、アキレス腱を押すと圧痛があったり、腫れや熱感を伴うこともあります。 重症化すると、安静時にも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたすことがあります。
足底筋膜炎・アキレス腱炎の原因を徹底解剖
使いすぎによる炎症
足底筋膜炎とアキレス腱炎の最も一般的な原因の一つは、足の使いすぎ、つまりオーバーユースです。長時間の立ち仕事、過度なランニング、ジャンプを繰り返すスポーツ(バスケットボール、バレーボールなど)は、足底筋膜やアキレス腱に過剰な負荷をかけ、微細な損傷を引き起こします。 これらの損傷が修復される前に、さらに負荷をかけると、炎症が慢性化し、痛みが増悪します。
特に、運動不足の状態から急に激しい運動を始めたり、 準備運動やストレッチを十分に行わずに運動したりすると、足底筋膜やアキレス腱への負担が大きくなり、炎症のリスクが高まります。不適切なフォームでの運動も、特定の部位に過剰な負荷を集中させ、炎症を引き起こす原因となります。
不適切な靴の使用
靴は、足を守り、快適な歩行をサポートするために非常に重要な役割を果たします。しかし、足に合わない靴や、不適切な靴を使用すると、足底筋膜やアキレス腱に過剰な負担がかかり、炎症を引き起こす可能性があります。例えば、ハイヒールは、かかとに過度の負担をかけ、アキレス腱を短縮させ、足底筋膜にも負担をかけます。
クッション性の低い靴や、硬い靴底の靴は、歩行時の衝撃を十分に吸収できず、 足底筋膜やアキレス腱への負担を増加させます。さらに、サイズが合わない靴(大きすぎる、または小さすぎる)は、 足のアーチを適切にサポートできず、足底筋膜やアキレス腱に不必要なストレスを与えます。扁平足やハイアーチなど、足の形状に合わない靴も同様です。
加齢と体重増加の影響
加齢に伴い、足底筋膜やアキレス腱の柔軟性が低下し、弾力性が失われる傾向があります。これは、組織を構成するコラーゲンの質が変化し、水分量が減少することが原因です。柔軟性の低下は、足底筋膜やアキレス腱が外部からの衝撃や負荷に耐えにくくなることを意味し、 炎症や損傷のリスクを高めます。
加齢とともに筋肉量が減少することも、足底筋膜やアキレス腱への負担を増加させる要因となります。体重増加も、足底筋膜やアキレス腱への負担を増加させる大きな要因です。 過剰な体重は、足のアーチを押しつぶし、足底筋膜に過度なストレスをかけます。また、アキレス腱にも、より大きな負荷がかかり、炎症のリスクを高めます。
足底筋膜炎・アキレス腱炎の治療法:保存療法から最新治療まで
ストレッチとエクササイズ
ストレッチとエクササイズは、足底筋膜炎とアキレス腱炎の治療において、非常に重要な役割を果たします。これらの方法は、足底筋膜やアキレス腱の柔軟性を高め、血行を促進し、痛みを軽減する効果があります。
足底筋膜炎に対しては、壁に手をついて、アキレス腱を伸ばすストレッチや、タオルを足指でたぐり寄せるタオルギャザー、ゴルフボールやテニスボールを足裏で転がすマッサージなどが効果的です。
アキレス腱炎に対しては、ふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチ(壁に手をついて行うストレッチや、段差を利用して行うストレッチ)や、踵をゆっくりと上げ下げするカーフレイズなどが有効です。 これらのストレッチやエクササイズは、毎日継続して行うことが重要です。痛みが強い場合は、無理に行わず、痛みを感じない範囲でゆっくりと行いましょう。
インソールとテーピング
インソールとテーピングは、足底筋膜炎やアキレス腱炎の症状を緩和し、 足への負担を軽減するために有効な手段です。足底筋膜炎に対しては、アーチサポートのあるインソールを使用することで、 足底アーチを支え、足底筋膜への負担を軽減することができます。インソールは、市販のものもありますが、 足の形状や症状に合わせて、専門家(足病医や義肢装具士など)に作成してもらうカスタムメイドのインソールがより効果的な場合があります。
アキレス腱炎に対しては、テーピングでアキレス腱をサポートすることで、腱への負担を軽減し、痛みを和らげることができます。 テーピングの方法は様々ありますが、一般的には、アキレス腱を覆うようにテーピングを施し、足関節の底屈を制限する方法が用いられます。 テーピングは、専門家の指導のもとで行うことが望ましいです。
体外衝撃波療法
体外衝撃波療法(ESWT)は、足底筋膜炎やアキレス腱炎に対する比較的新しい治療法であり、保存療法で効果が得られない難治性の症例に対して、有効な選択肢となる可能性があります。 この治療法は、高エネルギーの音波を患部に照射することで、組織の修復を促進し、痛みを軽減する効果が期待できます。
体外衝撃波療法は、血管新生を促進し、 組織の再生を促すと考えられています。また、痛みを伝える神経をブロックする効果や、炎症を抑制する効果も報告されています。 治療は、通常、数回に分けて行われ、1回の治療時間は数分程度です。治療に伴う痛みは比較的軽度であり、麻酔を必要としない場合が多いです。 体外衝撃波療法は、すべての足底筋膜炎やアキレス腱炎に有効というわけではありません。治療の適応については、医師の診察を受け、慎重に判断する必要があります。
日常生活でできる予防策と注意点
適切な靴選びの重要性
日常生活において、足底筋膜炎やアキレス腱炎を予防するためには、 適切な靴を選ぶことが非常に重要です。靴は、足への負担を軽減し、快適な歩行をサポートする役割を果たします。 まず、靴を選ぶ際には、クッション性が高く、足にフィットするものを選びましょう。クッション性の高い靴は、歩行時の衝撃を吸収し、足底筋膜やアキレス腱への負担を軽減します。
足にフィットする靴は、足のアーチを適切にサポートし、足底筋膜やアキレス腱への不必要なストレスを軽減します。 スポーツをする際には、そのスポーツに適した専用のシューズを選びましょう。例えば、ランニングをする場合は、ランニングシューズを、 バスケットボールをする場合は、バスケットボールシューズを選びましょう。これらのシューズは、それぞれのスポーツの特性に合わせて、 足への負担を軽減するように設計されています。
ウォーミングアップとクールダウン
運動前後のウォーミングアップとクールダウンは、 筋肉や腱の柔軟性を保ち、怪我の予防に非常に効果的です。 ウォーミングアップは、筋肉や腱を温め、血行を促進し、運動への準備を整えるために行います。 軽いジョギングやストレッチなどを行うと良いでしょう。
クールダウンは、運動によって疲労した筋肉や腱を徐々にクールダウンさせ、 元の状態に戻すために行います。ウォーミングアップと同様に、ストレッチなどを行うと効果的です。 特に、アキレス腱やふくらはぎのストレッチは念入りに行いましょう。これらの部位は、足底筋膜炎やアキレス腱炎を発症しやすい部位であるため、 しっかりとストレッチを行うことで、柔軟性を保ち、怪我の予防に繋がります。ストレッチは、反動をつけず、ゆっくりと伸ばすことが重要です。
疲労をためない生活
疲労は、足底筋膜炎やアキレス腱炎のリスクを高める要因の一つです。疲労が蓄積すると、筋肉や腱の柔軟性が低下し、 外部からの衝撃や負荷に耐えにくくなります。 また、疲労は、体の回復力を低下させ、炎症を悪化させる可能性もあります。 十分な睡眠は、体の回復力を高め、疲労を解消するために非常に重要です。
睡眠時間は、個人差がありますが、一般的には7~8時間の睡眠が推奨されます。 バランスの取れた食事は、体の組織を修復し、 炎症を抑える効果があります。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に摂取することが重要です。 無理な運動は避け、適度な休息を取りましょう。運動をする場合は、自分の体力に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。 また、運動後には、しっかりとクールダウンを行い、 疲労を残さないように心がけましょう。
まとめ:足底筋膜炎・アキレス腱炎と向き合い、快適な毎日を
足底筋膜炎とアキレス腱炎は、適切な知識と対策を持つことで、 多くの場合、症状の改善や再発予防が可能です。この記事では、足底筋膜とアキレス腱の構造と役割、 それぞれの炎症の原因と症状の違い、 様々な治療法と予防策について解説しました。
重要なのは、早期に症状に気づき、適切なケアを開始することです。 痛みを我慢せずに、早めに医療機関を受診し、 適切な診断と治療を受けることが大切です。また、日常生活においては、適切な靴選び、 ウォーミングアップとクールダウンの実施、 疲労をためない生活を心がけることで、足底筋膜炎やアキレス腱炎のリスクを減らすことができます。
これらの対策を実践し、足の健康を守り、快適な毎日を送りましょう。
早期発見と適切なケアで、足の悩みを解消しましょう
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