肩関節周囲炎は注射や薬で治る?治療の選択肢と効果を解説
- 3 日前
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肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)は、肩の痛みと可動域制限を引き起こす一般的な疾患です。注射や薬による治療は有効なのでしょうか?
この記事では、肩関節周囲炎の治療法、注射の種類、薬の効果、リハビリ、そして治療の注意点について整形外科で8年間勤務して、専門学校で非常勤講師をしながら整骨院,整体院をしている医療従事者が詳しく解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
目次
・肩関節周囲炎の定義と一般的な誤解
・肩関節周囲炎の主な原因:加齢だけではない?
・症状の進行:初期、拘縮期、回復期
・注射の種類:ステロイド、ヒアルロン酸、局所麻酔薬
・注射のメリットとデメリット:即効性と持続性
・注射後の注意点:リハビリの重要性
・内服薬:消炎鎮痛剤の種類と効果
・外用薬:湿布と塗り薬の使い分け
・薬物療法の注意点:副作用と長期使用
・運動療法:ストレッチと筋力トレーニング
・物理療法:温熱療法と電気刺激療法
・専門医との連携:最適な治療プラン
肩関節周囲炎(五十肩・四十肩)とは?原因と症状を理解する
肩関節周囲炎の定義と一般的な誤解
肩関節周囲炎は、一般的に五十肩や四十肩として知られていますが、医学的には肩関節を構成する腱板、関節包、滑液包などの組織に炎症が起こる状態を指します。
この炎症は、肩の痛みや可動域制限を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。肩関節周囲炎は、単なる加齢によるものと誤解されがちですが、実際にはさまざまな要因が複雑に関与しています。
腱板断裂、石灰沈着性腱炎、肩峰下滑液包炎など、類似した症状を引き起こす他の疾患との鑑別が重要です。
これらの疾患も肩の痛みを引き起こしますが、治療法が異なるため、正確な診断が不可欠です。肩関節周囲炎の理解を深めることは、適切な治療への第一歩となります。

肩関節周囲炎の主な原因:加齢だけではない?
肩関節周囲炎の主な原因は、加齢に伴う肩関節周囲の組織の変性です。腱や靭帯の柔軟性が失われ、小さな損傷が蓄積しやすくなります。しかし、加齢だけが原因ではありません。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、同じ姿勢を続けることで肩関節に負担がかかり、炎症を引き起こすことがあります。スポーツによる肩の酷使も原因の一つです。
野球やテニスなど、肩を繰り返し使うスポーツでは、肩関節周囲の組織に微細な損傷が起こりやすく、炎症につながることがあります。過去の肩の怪我や手術も、肩関節周囲炎のリスクを高めます。
また、糖尿病、甲状腺疾患、高脂血症などの基礎疾患も、肩関節周囲炎の発症に関与していると考えられています。これらの疾患は、肩関節周囲の血流を悪化させ、組織の修復を妨げる可能性があります。
症状の進行:初期、拘縮期、回復期
肩関節周囲炎の症状は、一般的に3つの段階を経て進行します。初期は、肩に鋭い痛みが生じる疼痛期です。この時期は、安静時や夜間にも痛みが強くなることが多く、睡眠を妨げられることもあります。
次に、肩の可動域が制限される拘縮期に入ります。肩を動かすと強い痛みが生じ、日常生活での動作が困難になります。例えば、服を着替える、髪を洗う、高い場所に手を伸ばすなどの動作が難しくなります。
最後に、徐々に痛みや可動域制限が改善する回復期を迎えます。しかし、回復期に入っても、完全に元の状態に戻るわけではありません。肩の可動域が以前より狭くなったままだったり、特定の動作で痛みを感じたりすることがあります。各段階で適切な治療を行うことで、症状の緩和や早期回復が期待できます。

肩関節周囲炎の注射治療:種類と効果、注意点
注射の種類:ステロイド、ヒアルロン酸、局所麻酔薬
肩関節周囲炎の注射治療は、症状の緩和を目的として行われます。主に用いられるのは、ステロイド注射、ヒアルロン酸注射、局所麻酔薬の注射です。
ステロイド注射は、強力な抗炎症作用があり、炎症を抑えて痛みを緩和する効果が期待できます。ただし、副作用のリスクもあるため、頻繁な使用は避けるべきです。
ヒアルロン酸注射は、関節の潤滑剤としての役割を果たし、肩関節の動きを滑らかにする効果が期待できます。変形性関節症にも用いられることがありますが、肩関節周囲炎にも有効です。
局所麻酔薬の注射は、痛みを一時的に遮断することで、リハビリテーションを行いやすくする効果があります。これらの注射は、症状や状態に合わせて選択されます。医師と相談し、適切な注射を選ぶことが重要です。
注射のメリットとデメリット:即効性と持続性
肩関節周囲炎に対する注射治療の最大のメリットは、痛みの緩和や可動域の改善といった効果が比較的早く実感できることです。
特に、痛みが強く日常生活に支障をきたしている場合には、注射によって速やかに症状を緩和することが期待できます。しかし、注射の効果は一時的であり、持続期間には個人差があります。
数週間から数ヶ月程度で効果が薄れてしまうこともあります。また、注射には副作用のリスクも伴います。ステロイド注射の場合、感染症のリスクを高めたり、腱を弱くしたりする可能性があります。
ヒアルロン酸注射の場合、注射部位の痛みや腫れなどが起こることがあります。注射治療を受ける際には、メリットとデメリットを十分に理解し、医師と相談した上で判断することが重要です。
注射後の注意点:リハビリの重要性
注射治療は、肩関節周囲炎の痛みを緩和し、可動域を改善する効果が期待できますが、それだけで完全に治るわけではありません。
注射の効果を持続させ、肩の機能を回復させるためには、適切なリハビリテーションが不可欠です。注射によって痛みが軽減されたら、積極的に肩の運動を行い、可動域を広げていくことが重要です。
リハビリテーションは、専門家の指導のもとで行うのが理想的ですが、自宅でも簡単な運動を行うことができます。肩をゆっくりと回したり、腕を上げ下げしたりする運動を、毎日続けることが大切です。
ただし、無理な運動は逆効果になることもあるため、痛みを感じたらすぐに中止しましょう。注射とリハビリテーションを組み合わせることで、肩関節周囲炎の改善をより効果的に進めることができます。
薬物療法:痛み止めと湿布の効果
内服薬:消炎鎮痛剤の種類と効果
肩関節周囲炎の薬物療法では、痛みを和らげ、炎症を抑えるために、様々な種類の内服薬が用いられます。最も一般的なのは、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)です。
NSAIDsは、炎症を引き起こす物質の生成を抑え、痛みを緩和する効果があります。ロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェンなどが代表的なNSAIDsです。
痛みが強い場合には、トラムセットなどの医療用麻薬が処方されることもあります。これらの薬は、痛みを強力に抑える効果がありますが、副作用のリスクもあるため、医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。
また、筋肉の緊張を和らげるために、筋弛緩薬が用いられることもあります。これらの薬は、肩関節周囲の筋肉の緊張を和らげ、痛みを緩和する効果が期待できます。
薬物療法は、症状や状態に合わせて選択されます。医師や薬剤師に相談し、適切な薬を選ぶことが重要です。
外用薬:湿布と塗り薬の使い分け
肩関節周囲炎の薬物療法では、内服薬だけでなく、湿布や塗り薬などの外用薬も用いられます。湿布や塗り薬は、皮膚から薬効成分を吸収させ、痛みを緩和する効果があります。
湿布には、温感湿布と冷感湿布があります。温感湿布は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。慢性的な痛みや、肩こりなどがある場合に適しています。
冷感湿布は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。急性期の痛みや、炎症が強い場合に適しています。塗り薬には、クリーム、ゲル、ローションなどがあります。
これらの塗り薬は、患部に直接塗布することで、痛みを緩和する効果があります。湿布や塗り薬は、内服薬と併用することで、より高い効果が期待できます。症状や好みに合わせて、適切な外用薬を選ぶことが重要です。
薬物療法の注意点:副作用と長期使用
肩関節周囲炎の薬物療法を行う際には、副作用に注意が必要です。消炎鎮痛剤(NSAIDs)は、胃腸障害、腎機能障害、肝機能障害などの副作用を引き起こす可能性があります。
特に、高齢者や、胃腸が弱い人は、注意が必要です。医療用麻薬は、便秘、吐き気、眠気などの副作用を引き起こす可能性があります。
これらの薬は、依存性もあるため、医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。湿布や塗り薬も、皮膚のかぶれ、かゆみ、発疹などの副作用を引き起こす可能性があります。
これらの副作用が現れた場合は、使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。薬物療法は、症状を緩和するための手段であり、根本的な治療ではありません。長期使用は避け、医師や薬剤師に相談しながら、適切な薬物療法を行いましょう。
リハビリテーション:肩の可動域を広げる
運動療法:ストレッチと筋力トレーニング
肩関節周囲炎のリハビリテーションにおける運動療法は、肩の可動域を広げ、肩関節周囲の筋肉を強化することを目的としています。
ストレッチは、肩関節周囲の筋肉や靭帯を柔軟にし、可動域を改善する効果があります。様々なストレッチ方法がありますが、代表的なものとしては、肩をゆっくりと回す運動、腕を前後に振る運動、タオルを使って肩を伸ばす運動などがあります。
筋力トレーニングは、肩関節周囲の筋肉を強化し、肩関節の安定性を高める効果があります。軽いダンベルやチューブを使って、肩を上げる運動、肩を外に開く運動、肩を後ろに引く運動などを行います。
運動療法は、専門家の指導のもと、無理のない範囲で徐々に運動強度を上げていくことが大切です。痛みを感じたら、すぐに運動を中止し、休憩を挟みながら行いましょう。

物理療法:温熱療法と電気刺激療法
肩関節周囲炎のリハビリテーションでは、運動療法に加えて、物理療法も用いられます。物理療法は、温熱療法と電気刺激療法に大別されます。
温熱療法は、患部を温めることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。ホットパック、超音波、マイクロ波などが用いられます。電気刺激療法は、神経や筋肉を電気刺激することで、痛みを緩和し、筋肉の機能を回復させる効果があります。低周波治療、高周波治療、経皮的電気神経刺激療法(TENS)などが用いられます。
物理療法は、運動療法と併用することで、より高い効果が期待できます。ただし、物理療法は、症状や状態によっては適さない場合もあります。医師や理学療法士に相談し、適切な物理療法を選ぶことが重要です。
自宅でできるリハビリ:継続のコツ
肩関節周囲炎のリハビリテーションは、医療機関での治療だけでなく、自宅でも行うことが重要です。自宅でリハビリを行う際は、毎日継続することが大切です。
入浴後など、体が温まっている状態で行うと、筋肉が柔らかくなり、より効果的です。自宅でできるリハビリとしては、ストレッチや軽い筋力トレーニングがあります。
肩をゆっくりと回したり、腕を上げ下げしたりする運動、タオルを使って肩を伸ばす運動などを、毎日続けることが大切です。ただし、無理な運動は逆効果になることもあるため、痛みを感じたらすぐに中止しましょう。
自宅でのリハビリを継続するためのコツとしては、毎日同じ時間に行う、カレンダーに記録する、家族や友人に協力してもらうなどがあります。継続することで、肩の可動域を改善し、痛みを緩和することができます。

肩関節周囲炎の治療:総合的なアプローチ
治療法の選択:症状と進行度合いによる
肩関節周囲炎の治療法は、患者さんの症状や進行度合いによって異なります。初期の痛み(炎症期)には、痛みを和らげることを目的とした治療が中心となります。
薬物療法(消炎鎮痛剤の内服や外用)、注射療法(ステロイド注射など)、安静などが有効です。拘縮期には、肩の可動域を広げることを目的としたリハビリテーションが中心となります。
ストレッチ、運動療法、物理療法などを行います。回復期には、再発予防のための運動療法を行います。肩関節周囲の筋肉を強化し、肩関節の安定性を高めることが重要です。
これらの治療法は、単独で行うだけでなく、組み合わせて行うことで、より高い効果が期待できます。医師や理学療法士と相談し、最適な治療プランを立てることが重要です。
複数の治療法の組み合わせ:相乗効果
肩関節周囲炎の治療では、複数の治療法を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。例えば、注射治療とリハビリテーションを併用することで、痛みの緩和と可動域の改善を同時に行うことができます。
注射によって痛みを軽減し、リハビリテーションによって肩の機能を回復させるという、それぞれの治療法の利点を活かすことができます。薬物療法とリハビリテーションを併用することも有効です。
薬物療法によって痛みを和らげ、リハビリテーションによって肩の可動域を広げることができます。また、温熱療法と運動療法を併用することで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげながら、肩の運動を行うことができます。
このように、複数の治療法を組み合わせることで、より効果的な治療を行うことができます。
専門医との連携:最適な治療プラン
肩関節周囲炎の治療は、専門医との連携が不可欠です。整形外科医、リハビリテーション医、理学療法士などの専門家が連携し、患者さんの症状や状態を総合的に評価し、最適な治療プランを提案します。
医師は、診察や画像検査(レントゲン、MRIなど)を行い、肩関節周囲炎の原因を特定します。理学療法士は、肩の可動域や筋力を評価し、個別のリハビリテーションプログラムを作成します。
患者さんは、医師や理学療法士の指示に従い、治療やリハビリテーションを継続することが重要です。
自己判断で治療を中断したり、自己流の運動を行ったりすると、症状が悪化する可能性があります。専門医との連携を通じて、適切な治療を受け、早期回復を目指しましょう。
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出典・間接引用
医療法人社団健将会 帝都メディカルクリニック西新井駅前院
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