五十肩と頚椎症の違いとは?症状、原因、治療法を徹底比較
- 4 日前
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肩の痛み、それは五十肩?もしかしたら頚椎症かもしれません。五十肩と頚椎症は、症状が似ているため混同されがちですが、原因や治療法は大きく異なります。
この記事では、五十肩と頚椎症の違いを徹底的に解説し、それぞれの症状、原因、治療法、予防法について詳しくご紹介します。整形外科で8年間勤務して、専門学校で非常勤講師をしながら整骨院,整体院をしている医療従事者が詳しく解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
目次
・痛みの部位と特徴
・可動域の制限範囲
・その他の症状
・五十肩の原因
・頚椎症の原因
・関連するリスクファクタ
・理学所見
・画像検査
・神経学的検査
・五十肩の治療法
・頚椎症の治療法
・リハビリテーションの重要性
・早期診断と適切な治療
・予防とセルフケア
五十肩と頚椎症:症状の違いを理解する
痛みの部位と特徴
五十肩と頚椎症は、どちらも肩や首に痛みを引き起こす疾患ですが、痛みの部位や特徴に違いがあります。
五十肩の場合、肩関節そのものに炎症が起こり、肩の前面や側面、場合によっては背中にかけて痛みを感じることがあります。特に、腕を上げたり、後ろに回したりする動作で痛みが強くなるのが特徴です。
日常生活においては、服を着替える、髪を洗う、物を持ち上げるといった動作が困難になることがあります。
一方、頚椎症は、首の骨や椎間板の変形が原因で神経が圧迫され、首から肩、腕、手指にかけて痛みやしびれが生じることが多いです。
痛みの範囲が広く、特定の動作だけでなく、首を動かすこと自体で症状が悪化することがあります。また、神経症状として、腕や手の力が入りにくくなったり、感覚が鈍くなったりすることもあります。

可動域の制限範囲
五十肩と頚椎症では、可動域の制限範囲にも違いが見られます。五十肩の場合、肩関節の可動域が全体的に制限され、特に外旋(腕を外側に回す動作)、挙上(腕を上げる動作)、内旋(腕を内側に回す動作)が困難になることが多いです。
これは、肩関節周囲の組織が炎症や癒着を起こしているためです。可動域制限は、日常生活における様々な動作に支障をきたし、生活の質を低下させる原因となります。
頚椎症の場合、首の可動域制限が見られることがありますが、肩関節自体の可動域は比較的保たれている場合があります。首を前後に倒したり、左右に回したりする動作が制限されることが多く、首こりや頭痛を伴うこともあります。
ただし、頚椎症が進行すると、肩や腕の神経が圧迫され、肩関節の動きにも影響を及ぼすことがあります。
その他の症状
五十肩と頚椎症は、痛みの部位や可動域制限以外にも、様々な症状の違いが見られます。五十肩では、夜間に痛みが強くなることや、安静時にもズキズキとした痛みを感じることがあります。
これは、炎症が持続しているためと考えられます。また、寒さや湿気によって痛みが悪化することもあります。
頚椎症では、手指のしびれや脱力感、首こり、頭痛、吐き気などを伴うことがあります。
これらの症状は、神経の圧迫によって引き起こされると考えられます。また、めまいや耳鳴り、視力低下などの症状が現れることもあります。これらの症状は、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。

五十肩と頚椎症:原因とリスクファクター
五十肩の原因
五十肩の明確な原因は、完全には解明されていません。
しかし、加齢に伴う肩関節周囲の組織(腱板、関節包、滑液包など)の炎症や変性が関与していると考えられています。これらの組織が炎症を起こし、硬くなることで、肩関節の動きが制限され、痛みが生じます。
特に、40代以降の中高年に多く発症することから、加齢が大きな要因であると考えられています。
また、糖尿病や甲状腺疾患などの基礎疾患がリスクファクターとなることもあります。これらの疾患は、全身の炎症反応を高め、肩関節周囲の組織にも影響を与える可能性があります。
さらに、過去に肩を怪我したことがある場合や、肩を酷使するような作業をされている方も、五十肩を発症しやすいと考えられています。遺伝的な要因も、一部関与している可能性が指摘されています。
頚椎症の原因
頚椎症は、加齢に伴う頚椎(首の骨)の椎間板の変性や骨棘(骨の棘)の形成などが主な原因で、神経が圧迫されることで発症します。
椎間板は、頚椎の間にあるクッションの役割を果たしていますが、加齢とともに水分を失い、弾力性が低下します。その結果、椎間板が変形したり、突出したりして、神経を圧迫することがあります。
また、骨棘は、頚椎の骨が変形してできる突起で、これも神経を圧迫する原因となります。
長時間のデスクワークや猫背などの不良姿勢も、頚椎に負担をかけ、椎間板の変性や骨棘の形成を促進するリスクファクターとなります。さらに、交通事故やスポーツなどの外傷も、頚椎症の原因となることがあります。

関連するリスクファクター
五十肩と頚椎症は、どちらも40代以降に発症することが多いですが、生活習慣や職業、既往歴などが発症リスクに影響を与える可能性があります。特に、肩や首に負担のかかる作業をされる方(例:パソコン作業、重いものを持ち上げる作業など)や、過去に肩や首を痛めたことがある方は注意が必要です。
また、喫煙や肥満、運動不足などの生活習慣も、五十肩や頚椎症のリスクを高める可能性があります。喫煙は、全身の血流を悪化させ、組織の修復を遅らせる可能性があります。
肥満は、肩や首に過剰な負担をかけ、関節や椎間板の変性を促進する可能性があります。運動不足は、肩や首の筋肉を弱め、関節や椎間板への負担を増加させる可能性があります
さらに、ストレスも、五十肩や頚椎症のリスクを高める可能性があります。ストレスは、筋肉の緊張を高め、肩や首の痛みを悪化させる可能性があります。
五十肩と頚椎症:診断と検査方法
問診と理学所見
五十肩と頚椎症の診断は、まず医師による詳細な問診から始まります。問診では、痛みの部位、程度、発症時期、誘発因子(どのような動作で痛みが出るか)、既往歴、生活習慣などを詳しく確認します。
これらの情報は、五十肩と頚椎症を鑑別する上で非常に重要です。例えば、五十肩では、肩関節の痛みが中心であり、特定の動作で痛みが悪化することが多いですが、頚椎症では、首から肩、腕にかけて痛みやしびれが生じることが多く、首の動きで症状が変化することがあります。
次に、理学所見を行います。理学所見では、肩関節や首の可動域、神経学的検査(筋力、感覚、反射など)を行い、症状の特徴を把握します。五十肩では、肩関節の可動域が著しく制限されることが特徴的です。
特に、外旋(腕を外側に回す動作)が困難になることが多いです。頚椎症では、首の可動域制限や、神経圧迫による筋力低下や感覚異常が見られることがあります。
画像検査
問診と理学所見の結果を踏まえ、必要に応じて画像検査を行います。レントゲン検査やMRI検査などを行い、肩関節や頚椎の状態を確認します。レントゲン検査では、骨の状態を評価し、骨折や変形、骨棘の有無などを確認します。
MRI検査では、より詳細な情報を得ることができ、筋肉、腱、靭帯、神経などの軟部組織の状態を評価することができます。
五十肩では、MRI検査で肩関節周囲の炎症や、腱板断裂の有無などを確認します。頚椎症では、MRI検査で椎間板の変性、骨棘の形成、神経の圧迫などを確認します。
これらの画像検査の結果は、診断を確定し、適切な治療法を選択する上で重要な情報となります。また、画像検査の結果によっては、他の疾患(例えば、腫瘍や感染症など)を除外することができます。
神経学的検査
頚椎症が疑われる場合には、神経学的検査を行い、神経の圧迫による症状の程度を評価します。神経学的検査では、筋力低下、反射異常、感覚障害などを確認します。
筋力低下は、特定の筋肉の力が弱まっているかどうかを評価します。反射異常は、腱反射(膝を叩くと足が跳ね上がる反応など)が正常に起こるかどうかを評価します。感覚障害は、触覚、痛覚、温度覚などが正常に感じられるかどうかを評価します。
これらの神経学的検査の結果は、どの神経が圧迫されているのか、どの程度神経が損傷しているのかを判断する上で役立ちます。また、神経学的検査の結果は、治療の効果を評価する上でも重要です。
治療によって神経の圧迫が軽減されれば、筋力、反射、感覚などが改善することが期待されます。
五十肩と頚椎症:治療法とリハビリ
五十肩の治療法
五十肩の治療は、痛みの軽減と肩関節の可動域改善を主な目的とします。治療法は、症状の程度や患者様の状態に合わせて選択されます。
一般的な治療法としては、薬物療法、注射療法、理学療法があります。薬物療法では、鎮痛剤(痛み止め)や湿布などを用いて、痛みを和らげます。
注射療法では、ステロイド注射やヒアルロン酸注射などを肩関節に直接注射し、炎症を抑え、痛みを軽減します。理学療法では、温熱療法、運動療法などを行い、肩関節の可動域を改善し、機能を回復させます。
患者様の状態を丁寧に評価し、個別の治療プランを提案しています。例えば、痛みが強い場合には、注射療法を積極的に行い、痛みが軽減した段階で、理学療法を開始するといった方法があります。
また、痛みの原因となっている筋肉や関節包に対して、手技療法や鍼灸治療を行うこともあります。
頚椎症の治療法
頚椎症の治療は、神経の圧迫を軽減し、症状の緩和を目的とします。治療法は、症状の程度や神経圧迫の程度に合わせて選択されます。一般的な治療法としては、薬物療法、装具療法、理学療法、手術療法があります。
薬物療法では、鎮痛剤、筋弛緩剤、神経痛の薬などを用いて、痛みを和らげ、筋肉の緊張を緩和します。装具療法では、頸椎カラーなどを用いて、首を固定し、神経への負担を軽減します。
理学療法では、牽引療法、運動療法などを行い、首の可動域を改善し、筋肉を強化します。
手術療法は、神経圧迫が著しい場合や、保存療法(薬物療法、装具療法、理学療法)で症状が改善しない場合に検討されます。
手術では、神経を圧迫している椎間板や骨棘を取り除き、神経の通り道を広げます。手術の方法は、患者様の状態に合わせて選択されます。
リハビリテーションの重要性
五十肩と頚椎症のどちらの疾患においても、リハビリテーションは非常に重要です。リハビリテーションは、痛みの軽減、可動域の改善、機能回復を促進し、日常生活の質を向上させる上で欠かせません。
リハビリテーションは、専門家の指導のもと、適切な運動療法や物理療法を行うことで効果を発揮します。
運動療法では、肩関節や首の筋肉を強化し、柔軟性を高める運動を行います。
例えば、五十肩の場合には、肩関節の可動域を広げるストレッチや、肩甲骨の動きを改善する運動などを行います。頚椎症の場合には、首の筋肉を強化する運動や、姿勢を改善する運動などを行います。
物理療法では、温熱療法、電気療法、マッサージなどを用いて、痛みを和らげ、筋肉の緊張を緩和します。

まとめ:肩の痛みを感じたら専門医へ相談を
早期診断と適切な治療
肩の痛みは、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。些細な痛みであっても、放置せずに適切な対応をとることが重要です。
五十肩と頚椎症は、症状が似ているため自己判断は禁物であり、自己流のストレッチや運動は、症状を悪化させる可能性があります。
そのため、早期に専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
専門医は、問診、理学所見、画像検査などを通じて、痛みの原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
また、生活習慣の改善や、セルフケアの方法についてもアドバイスを受けることができます。早期に適切な治療を受けることで、痛みの慢性化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
予防とセルフケア
日頃から適切な姿勢を心がけ、肩や首に負担のかからないように注意しましょう。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、首や肩に大きな負担をかけます。
作業中は、こまめに休憩を取り、ストレッチを行うようにしましょう。また、適度な運動やストレッチも効果的です。ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、全身の血流を改善し、筋肉をリラックスさせる効果があります。
肩や首のストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、関節の動きをスムーズにする効果があります。痛みが気になる場合は、無理せず安静にし、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
また、市販の湿布や鎮痛剤を使用するのも、一時的な痛みを和らげる効果があります。ただし、症状が改善しない場合は、専門医に相談することが重要です。
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出典・間接引用
魚住総合クリニック
頸椎症かもしれない?肩と腕の痛み・しびれの原因を徹底解説
株式会社リハサク
肩から腕の痛みは何が原因?五十肩や頸椎症との違いと改善法






