坐骨神経痛はなぜ起こる?原因、症状、治療法、予防策を徹底解説
- よし 整骨院
- 3 日前
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坐骨神経痛でお悩みですか?腰から足にかけての痛みやしびれは、日常生活に大きな支障をきたします。この記事では、坐骨神経痛の原因、症状、治療法、そして予防策について詳しく解説します。根本的な原因を理解し、適切な対策を行うことで、つらい痛みから解放され、快適な生活を取り戻しましょう。
整形外科で8年間勤務と専門学校の講師を10年間しながら、現在治療院を運営している国家資格者が解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
目次
・坐骨神経の役割と走行
・坐骨神経痛の代表的な症状
・症状が悪化するタイミング
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・梨状筋症候群
・保存療法:薬物療法と物理療法
・運動療法:ストレッチと体操
・ブロック注射
・正しい姿勢を保つ
・適度な運動を習慣にする
・筋肉の柔軟性を保つ
まとめ
坐骨神経痛とは?
坐骨神経の役割と走行
坐骨神経は、腰椎から仙骨神経叢を経て、お尻を通り、太ももの裏側から足先まで伸びる、人体で最も太い神経です。運動神経と感覚神経の両方の役割を担っており、下肢の運動機能と感覚機能を司っています。この神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、痛みや痺れといった坐骨神経痛の症状が生じます。
どこを通っているかを知ることは、症状の原因を特定する上で非常に重要になります。神経の走行を理解することで、どの部位に負担がかかっているのか、どのような姿勢や動作が症状を悪化させているのかを把握しやすくなります。
例えば、腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合、神経根が圧迫されている部位を特定できます。
また、梨状筋症候群が疑われる場合は、お尻の筋肉の状態を確認することが重要です。坐骨神経の走行を意識することで、日常生活での注意点や予防策を講じることが可能になります。

坐骨神経痛の代表的な症状
坐骨神経痛の主な症状は、腰、お尻、太もも、ふくらはぎ、足にかけての痛み、痺れ、または感覚麻痺です。これらの症状は、坐骨神経が圧迫または刺激されることで発生します。症状の現れ方は人それぞれで、常に痛みを感じる人もいれば、特定の動作によって症状が悪化する人もいます。
痛みの種類も様々で、電気が走るような鋭い痛み、ズキズキとした鈍痛、または焼けるような痛みを感じることがあります。痺れは、正座をした後のような感覚や、皮膚の感覚が鈍くなることがあります。
重症の場合、足の力が入りにくくなったり、排尿や排便のコントロールが困難になることもあります。これらの症状は日常生活に大きな支障をきたす可能性があり、早期の診断と適切な治療が重要です。症状の変化を注意深く観察し、医療機関への受診を検討しましょう。

症状が悪化するタイミング
坐骨神経痛の症状は、特定の状況や動作によって悪化することがあります。長時間の座位、特に不適切な姿勢での座位は、腰椎や骨盤に負担をかけ、坐骨神経を圧迫する可能性があります。
立ちっぱなしの状態も同様に、腰部の筋肉や神経に負担をかけ、症状を悪化させる要因となります。重い物を持ち上げる動作は、腰椎に大きな負荷がかかり、椎間板ヘルニアなどを引き起こすリスクを高めます。
当院で多いのはダイエットのためにウォーキングを開始して、距離が伸び始めたときによく起こり受診されることが多いです。
特定の姿勢、例えば前かがみの姿勢や体をひねる姿勢も、坐骨神経を圧迫し、痛みを悪化させる可能性があります。
また、冷えや湿気も血行を悪くし、筋肉を緊張させることで、症状を悪化させる要因となる場合があります。これらの悪化要因を避けるように心がけ、日常生活での工夫が重要です。
例えば、長時間の座位を避ける、正しい姿勢を保つ、重い物を持ち上げる際には注意する、体を冷やさないなどの対策が有効です。
坐骨神経痛の主な原因

腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛の代表的な原因の一つです。椎間板は、腰椎と腰椎の間にあるクッションのような役割を果たしていますが、加齢や外力によって変性し、一部が突出することがあります。この突出した椎間板が神経根を圧迫することで、坐骨神経痛を引き起こします。

若い世代に多く見られる原因の一つであり、スポーツや労働などによる腰への負担が原因となることがあります。症状は、腰痛だけでなく、お尻から足にかけての痛みや痺れを伴うことが特徴です。
診断には、MRI検査などが用いられ、神経の圧迫状況を確認します。治療法としては、保存療法と手術療法があり、症状の程度や患者の状態によって選択されます。保存療法では、薬物療法や理学療法が行われ、手術療法では、ヘルニアを取り除く手術が行われます。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなり、神経を圧迫することで坐骨神経痛を引き起こす疾患です。脊柱管とは、脊髄や神経が通る管のことで、加齢に伴い、靭帯や骨が肥厚したり、椎間板が変形したりすることで狭窄します。
高齢者に多く見られる原因であり、長年の腰への負担が原因となることがあります。

症状は、歩行時に足の痛みや痺れが現れ、休むと楽になるという間欠跛行が特徴的です。診断には、MRI検査などが用いられ、脊柱管の狭窄状況を確認します。治療法としては、保存療法と手術療法があり、症状の程度や患者の状態によって選択されます。保存療法では、薬物療法や理学療法が行われ、手術療法では、脊柱管を広げる手術が行われます。
梨状筋症候群

梨状筋症候群は、梨状筋というお尻の筋肉が坐骨神経を圧迫することで坐骨神経痛を引き起こす疾患です。梨状筋は、骨盤から大腿骨に繋がる筋肉で、股関節の外旋や外転の動きに関与しています。
長時間の座位や運動不足、または過度な運動によって梨状筋が硬くなったり、炎症を起こしたりすることで、坐骨神経を圧迫することがあります。症状は、お尻の痛みや痺れが特徴で、太ももの裏側や足にかけて広がることもあります。
治療法としては、保存療法が中心で、ストレッチやマッサージ、薬物療法などが行われます。
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坐骨神経痛の治療法
保存療法:薬物療法と物理療法
坐骨神経痛の治療において、保存療法は重要な選択肢の一つです。保存療法は、手術を行わずに症状の緩和を目指す治療法で、薬物療法と物理療法が中心となります。
薬物療法では、痛み止め(鎮痛剤、カロナールやトラムセット)や炎症を抑える薬(消炎鎮痛剤、ロキソニン、セレコックス、ボルタレンなど)、神経の痛みを和らげる薬(神経障害性疼痛治療薬、リリカ、タリージェ、プレガバリン)などが用いられます。
これらの薬は、痛みを軽減し、日常生活を送りやすくする効果があります。
薬を飲んでも症状が変わらない人はこの動画をご覧ください。
物理療法では、温熱療法や電気刺激療法、マッサージなどを用いて、痛みを和らげ、血行を促進します。
温熱療法は、患部を温めることで筋肉の緊張を和らげ、血行を改善する効果があります。電気刺激療法は、電気刺激によって神経や筋肉を刺激し、痛みを抑制する効果があります。これらの保存療法は、症状の程度や原因に応じて、組み合わせて行われることが一般的です。
運動療法:ストレッチと体操
運動療法は、坐骨神経痛の治療において、症状の改善と再発予防に効果的な方法です。ストレッチや体操は、筋肉の柔軟性を高め、神経への圧迫を軽減する効果があります。特に、お尻や太ももの筋肉を重点的にストレッチすることが重要です。
梨状筋ストレッチは、梨状筋症候群に有効であり、お尻の筋肉を伸ばすことで坐骨神経への圧迫を軽減します。
ハムストリングスのストレッチは、太ももの裏側の筋肉を伸ばし、腰への負担を軽減する効果があります。
これらのストレッチや体操は、無理のない範囲で、毎日継続することが大切です。痛みが強い場合は、無理に行わず、専門家の指導のもとで行うようにしましょう。


ブロック注射

ブロック注射は、坐骨神経痛の治療において、痛みの緩和に効果的な方法の一つです。ブロック注射は、神経の炎症を抑え、痛みを緩和する効果があります。痛みが強い場合や、保存療法で効果が見られない場合に検討されます。ブロック注射には、神経ブロックと硬膜外ブロックなどがあります。
神経ブロックは、痛みを伝達する神経に直接麻酔薬を注射する方法で、痛みを迅速に緩和する効果があります。
硬膜外ブロックは、脊髄を覆う硬膜の外側に麻酔薬を注射する方法で、広範囲の痛みを緩和する効果があります。
ブロック注射は、一時的な痛みの緩和を目的とするものであり、根本的な原因の治療にはなりませんが、一時的にで神経の興奮が収まるとそれ以降の痛みが変わるということはよく起きます。そのため、ブロック注射と併せて、保存療法や運動療法を行うことが重要です。
坐骨神経痛の予防法
正しい姿勢を保つ

坐骨神経痛の予防において、正しい姿勢を保つことは非常に重要です。長時間の座位や立ちっぱなしは、腰椎や骨盤に負担をかけ、坐骨神経を圧迫する可能性があります。正しい姿勢を保つことで、これらの負担を軽減し、坐骨神経痛の発症リスクを下げることができます。
坐骨神経痛になりやすい人は、骨盤が後ろに倒れ、前方に偏移することで反り腰になっている人が多いです。それにともなって猫背にもなっています。
座位の場合、背筋を伸ばし、お尻を深く椅子にかけ、足の裏を地面につけるようにしましょう。必要に応じて、腰当てやクッションを使用すると、より快適に姿勢を保つことができます。
立ち姿勢の場合、背筋を伸ばし、肩の力を抜き、お腹を軽く引き締めるようにしましょう。重い物を持ち上げる際には、膝を曲げて腰を落とし、背筋を伸ばした状態で持ち上げるようにしましょう。正しい姿勢を意識することで、腰椎や骨盤への負担を軽減し、坐骨神経痛を予防することができます。
適度な運動を習慣にする
坐骨神経痛と肥満や高脂血症とは相関関係にあります。
適度な運動を習慣にすることは、坐骨神経痛の予防に効果的です。ウォーキングや水泳などの適度な運動は、筋肉を強化し、血行を促進する効果があります。筋肉が強化されることで、腰椎や骨盤を安定させ、坐骨神経への負担を軽減することができます。血行が促進されることで、神経や筋肉への酸素供給が改善され、痛みを和らげる効果があります。
毎日30分程度の有酸素運動を習慣にしましょう。運動の種類は、ウォーキング、水泳、サイクリングなど、自分の体力や好みに合わせて選ぶことができます。運動を行う際には、無理のない範囲で行い、痛みを感じたらすぐに中止するようにしましょう。運動前にストレッチを行うことで、筋肉を柔軟にし、怪我の予防にも繋がります。
筋肉の柔軟性を保つ
筋肉の柔軟性を保つことは、坐骨神経痛の予防において非常に重要です。ストレッチやヨガなどで筋肉の柔軟性を保ちましょう。特に、お尻や太ももの筋肉を重点的にストレッチすることが重要です。お尻の筋肉(梨状筋など)が硬くなると、坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。太ももの筋肉(ハムストリングスなど)が硬くなると、腰椎に負担がかかり、腰痛や坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。
ストレッチは、毎日継続して行うことが大切です。1回のストレッチは30秒以上にしましょう。30秒行わないと筋肉がに美てこないことがわかっています。
入浴後や運動後など、筋肉が温まっている状態で行うと、より効果的です。ストレッチを行う際には、無理に伸ばしすぎず、痛みを感じない範囲で行うようにしましょう。ヨガは、全身の筋肉をバランス良く伸ばすことができるため、坐骨神経痛の予防に効果的です。
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まとめ
坐骨神経痛は、様々な原因によって引き起こされる、腰から足にかけての痛みや痺れを伴う症状です。原因を特定し、適切な治療と予防策を行うことで改善が期待できます。
治療法としては、薬物療法、物理療法、運動療法、ブロック注射などがあります。予防策としては、正しい姿勢を保つ、適度な運動を習慣にする、筋肉の柔軟性を保つなどが挙げられます。痛みが続く場合は、自己判断せずに、専門医に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
早期の診断と適切な治療を行うことで、坐骨神経痛による苦痛から解放され、快適な日常生活を送ることができます。日々の生活習慣を見直し、坐骨神経痛の予防に努めましょう。
出典