アキレス腱の痛み・腫れの原因と治療:徹底解説
- よし 整骨院
- 4月6日
- 読了時間: 12分
アキレス腱の痛みや腫れでお悩みではありませんか?この記事では、アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎、アキレス腱断裂など、アキレス腱のトラブルに関する情報を網羅的に解説します。原因、症状、治療法、予防法をわかりやすくまとめました。早期発見と適切な対処で、つらい痛みから解放されましょう。整形外科に8年間勤務した医療系国家資格もちの私が詳しく解説します。
この記事の監修者情報

資格:柔道整復師 (整骨院を開業できる国家資格)
柔道整復師専科教員(大学、専門学校の柔道整復師科で講義することができる資格)
NSCA CSCS(全米ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)
経歴
2010~2015年 医療法人堺整形外科医院 福岡スポーツクリニック
2015~2017年 医療法人TSC タケダスポーツクリニック
2018~現在 よし姿勢&スポーツ整骨院・整体院
2014~2017年 福岡医療専門学校 非常勤講師
2015~2023年 九州医療専門学校 非常勤講師
2024~現在 福岡医健・スポーツ専門学校 非常勤講師
アキレス腱の痛みの原因を探る
アキレス腱炎とは?
アキレス腱炎は、アキレス腱に炎症が起こる病気です。オーバーユース(使いすぎ)や、不適切なウォーミングアップ、足に合わない靴などが原因で起こることがあります。早期発見と適切な対処が重要です。アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉と踵の骨をつなぐ腱であり、歩行や走行において重要な役割を果たします。そのため、アキレス腱に炎症が起こると、日常生活やスポーツ活動に支障をきたす可能性があります。
アキレス腱炎の初期症状としては、運動後や起床時にアキレス腱周辺に痛みを感じることが挙げられます。痛みが軽度であれば、安静にすることで改善することもありますが、痛みが続く場合や悪化する場合は、医療機関を受診する必要があります。
アキレス腱炎の治療法としては、保存療法がメインです。保存療法では、安静、アイシング、圧迫、挙上(RICE療法)などの応急処置に加え、痛み止めの薬や湿布を使用したり、装具を使用したりすることがあります。また、理学療法士による運動療法も有効であり、アキレス腱の柔軟性や筋力を改善することで、アキレス腱への負担を軽減することができます。
アキレス腱周囲炎とは?
アキレス腱周囲炎は、アキレス腱を覆う組織(腱傍組織)に炎症が起こる状態です。アキレス腱炎と似た原因で起こりますが、痛む場所や症状が若干異なる場合があります。アキレス腱周囲炎では、アキレス腱自体ではなく、アキレス腱の周囲の組織に炎症が起こるため、アキレス腱を押したときに痛みを感じることが少ない場合があります。また、アキレス腱周囲炎では、アキレス腱の表面が腫れたり、赤くなったりすることがあります。アキレス腱炎と同様に、アキレス腱周囲炎もオーバーユースが主な原因であり、ランニングやジャンプなどの運動を繰り返し行うことで、アキレス腱周囲の組織に負担がかかり、炎症が起こることがあります。
アキレス腱に負担がかかりやすい要因としては、柔軟性の低下や筋力不足、足に合わない靴の使用などが挙げられます。アキレス腱周囲炎の診断は、医師による問診や触診によって行われます。また、必要に応じて、MRI検査などの画像検査を行うことがあります。MRI検査では、アキレス腱周囲の組織の状態を詳しく調べることができ、炎症の程度や範囲を評価することができます。アキレス腱周囲炎の治療法としては、アキレス腱炎と同様に、保存療法が中心となります。
アキレス腱断裂とは?
アキレス腱断裂は、アキレス腱が完全に切れてしまう状態です。スポーツ中に急激な力が加わった際に起こることが多く、激しい痛みとともに歩行困難になります。ユビーのチェック機能も活用し、早期に医療機関を受診しましょう。アキレス腱断裂は、特にバスケットボール、テニス、サッカーなどのスポーツで発生しやすいです。断裂時には、ふくらはぎに衝撃を受けたような感覚や、「パンッ」という音が聞こえることがあります。受傷直後は、激しい痛みのため、立つことや歩くことが困難になることが一般的です。
アキレス腱断裂の診断は、医師による問診や触診によって行われます。触診では、アキレス腱が途切れている部分を触れることがあります。また、トンプソンテストと呼ばれる検査も行われます。トンプソンテストは、患者がうつ伏せになった状態で、ふくらはぎを把持すると、通常は足関節が底屈しますが、アキレス腱が断裂している場合は底屈しないというものです。
アキレス腱断裂の治療法としては、手術療法と保存療法があります。手術療法では、断裂したアキレス腱を縫合します。保存療法では、ギプスや装具を用いてアキレス腱を固定し、自然治癒を待ちます。治療法の選択は、患者の年齢、活動レベル、断裂の程度などを考慮して決定されます。手術療法は、スポーツ活動への復帰を希望する患者や、再断裂のリスクを減らしたい患者に推奨されることが多いです。
アキレス腱の痛みの症状と診断
痛みの種類と場所
アキレス腱炎の場合は、アキレス腱に沿って、または踵の骨のあたりに痛みを感じることが多いです。アキレス腱周囲炎では、アキレス腱の周囲が腫れたり、押すと痛みを感じたりします。アキレス腱断裂では、断裂時に激しい痛みを感じ、歩行が困難になることが多いです。アキレス腱炎の痛みは、運動開始時や運動後に強くなることが多く、安静にしていると軽減することがあります。また、アキレス腱を伸ばすような動作(つま先立ちなど)をすると、痛みが増すことがあります。
アキレス腱周囲炎の痛みは、アキレス腱の周囲を押したり、アキレス腱を動かしたりすると強くなることがあります。また、アキレス腱の周囲が腫れて、熱を持っていることもあります。
アキレス腱断裂の痛みは、断裂時に最も強く、その後は徐々に軽減することがあります。しかし、歩行や足関節の底屈(つま先立ち)は困難になります。また、アキレス腱断裂では、アキレス腱が途切れている部分を触れることがあります。痛みの種類や場所を正確に把握することは、アキレス腱の痛みの原因を特定するために重要です。痛みの程度や持続時間、痛みを悪化させる要因などを医師に伝えるようにしましょう。
セルフチェックの方法
アキレス腱の痛みや腫れがある場合は、まず安静にして、アキレス腱を触ってみましょう。圧痛があるか、腫れていないかなどを確認します。痛みが強い場合や、歩行が困難な場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。アキレス腱を触るときは、指で軽く押さえるようにして、痛みがないか確認します。また、アキレス腱の周囲を観察し、腫れや赤みがないか確認します。アキレス腱を伸ばすストレッチをしてみて、痛みが増すかどうか確認することも有効です。ただし、無理にストレッチをすると、症状が悪化する可能性があるので、注意が必要です。アキレス腱の痛みが軽度であれば、市販の痛み止めや湿布を使用することもできます。
しかし、痛みが続く場合や悪化する場合は、医療機関を受診して、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。特に、アキレス腱断裂の疑いがある場合は、早期に医療機関を受診する必要があります。アキレス腱断裂を放置すると、手術が必要になる場合や、後遺症が残る可能性があります。
医療機関での診断
医療機関では、問診や触診、レントゲン検査、MRI検査などが行われます。これらの検査によって、アキレス腱の状態を詳しく調べ、正確な診断を行います。問診では、痛みの種類や場所、痛みが始まった時期、痛みを悪化させる要因、既往歴、スポーツ歴などが質問されます。触診では、アキレス腱の圧痛、腫れ、可動域などが確認されます。レントゲン検査では、アキレス腱周囲の骨の状態を確認し、骨折や変形がないか調べます。
MRI検査では、アキレス腱や周囲の組織の状態を詳しく調べることができ、アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎、アキレス腱断裂などの診断に役立ちます。また、MRI検査では、アキレス腱の部分断裂や、アキレス腱周囲の炎症の程度なども評価することができます。医療機関では、これらの検査結果を総合的に判断して、正確な診断を行います。診断結果に基づいて、適切な治療法が選択されます。
アキレス腱の痛みの治療法
保存療法
アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎の初期段階では、安静、アイシング、圧迫、挙上(RICE療法)などの保存療法が有効です。また、痛み止めの薬や湿布を使用することもあります。テーピングも有効な場合があります。RICE療法は、アキレス腱の炎症を抑え、痛みを軽減するために有効な応急処置です。安静とは、アキレス腱に負担をかけないように、運動や歩行を控えることです。アイシングとは、患部を冷やすことで、炎症を抑えることです。
アイシングは、1回15~20分程度、1日に数回行うと効果的です。圧迫とは、患部を包帯やサポーターで圧迫することで、腫れを抑えることです。挙上とは、患部を心臓よりも高い位置に上げることで、腫れを抑えることです。痛み止めの薬や湿布は、痛みを軽減するために使用されます。市販の痛み止めや湿布を使用することもできますが、効果がない場合は、医師に相談して、より強力な薬を処方してもらうこともできます。
テーピングは、アキレス腱をサポートし、負担を軽減するために使用されます。テーピングの方法は、いくつか種類がありますが、いずれの方法も、アキレス腱を適切な位置に固定し、運動時の負担を軽減することができます。
運動療法
アキレス腱の柔軟性を高めるストレッチや、ふくらはぎの筋力トレーニングを行います。適切な運動療法を行うことで、アキレス腱への負担を軽減し、再発を予防することができます。アキレス腱のストレッチは、アキレス腱の柔軟性を高め、アキレス腱への負担を軽減するために重要です。代表的なストレッチとしては、壁に手をついて、片足を後ろに引いて、アキレス腱を伸ばすストレッチがあります。
このストレッチは、1回30秒程度、1日に数回行うと効果的です。
ふくらはぎの筋力トレーニングは、ふくらはぎの筋肉を強化し、アキレス腱への負担を軽減するために重要です。
代表的なトレーニングとしては、カーフレイズがあります。カーフレイズは、立った状態で、つま先立ちになり、ふくらはぎの筋肉を収縮させるトレーニングです。このトレーニングは、10~15回を1セットとして、1日に数セット行うと効果的です。ただし、つま先立ちが痛い場合はカーフレイズはまだしないほうがいいと思います。
運動療法は、専門家の指導のもとで行うことが望ましいです。理学療法士などの専門家は、患者の状態に合わせて、適切なストレッチやトレーニングメニューを作成し、指導してくれます。また、運動療法を行う際には、痛みを感じたら無理をせずに、休息を取るようにしましょう。
アキレス腱の痛みの予防法
ウォーミングアップとクールダウン
運動前には必ずウォーミングアップを行い、アキレス腱やふくらはぎの筋肉を十分に温めてから運動を開始しましょう。運動後にはクールダウンを行い、筋肉の疲労を和らげることが大切です。ウォーミングアップは、筋肉や腱の温度を上げ、柔軟性を高める効果があります。ウォーミングアップとしては、軽いジョギングやストレッチなどを行うと良いでしょう。特に、アキレス腱やふくらはぎの筋肉を重点的にストレッチすることが重要です。クールダウンは、運動によって疲労した筋肉や腱を回復させる効果があります。
クールダウンとしては、軽いストレッチやマッサージなどを行うと良いでしょう。ウォーミングアップとクールダウンを適切に行うことで、アキレス腱の怪我を予防することができます。運動の種類や強度に合わせて、ウォーミングアップとクールダウンの内容を調整するようにしましょう。運動前に数分間のウォーミングアップを行うだけでも、怪我のリスクを大幅に減らすことができます。
適切な靴の選択
足に合った靴を選ぶことは、アキレス腱への負担を軽減するために非常に重要です。クッション性があり、踵をしっかりとサポートしてくれる靴を選びましょう。
靴を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。まず、サイズが合っていることが重要です。靴がきつすぎたり、ゆるすぎたりすると、足に負担がかかり、アキレス腱を痛める原因となります。
次に、クッション性があることが重要です。クッション性のある靴は、足への衝撃を吸収し、アキレス腱への負担を軽減します。
踵をしっかりとサポートしてくれる靴を選ぶことも重要です。踵が不安定だと、アキレス腱に負担がかかり、怪我の原因となります。リペアセルクリニックでは、足の形状や歩き方を分析し、最適な靴を提案してくれるサービスを提供しています。専門家のアドバイスを受けることで、より自分に合った靴を選ぶことができます。
オーバーユースの回避
アキレス腱に負担をかけすぎないように、運動量を徐々に増やしていくことが大切です。痛みを感じたら無理をせずに、休息を取りましょう。オーバーユースは、アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎の主な原因の一つです。運動量を急激に増やすと、アキレス腱に過剰な負担がかかり、炎症を起こしやすくなります。運動量を増やす際には、徐々に増やしていくようにしましょう。
痛みを感じたら無理をせずに、休息を取ることが重要です。痛みを我慢して運動を続けると、症状が悪化し、治癒が遅れる可能性があります。アキレス腱に違和感を感じたら、早めに運動を中止し、安静にすることが大切です。運動後には、アイシングやストレッチを行い、アキレス腱の疲労を和らげるようにしましょう。
日頃から、アキレス腱やふくらはぎの筋肉の柔軟性を高めるストレッチを行うことも、オーバーユースの予防に繋がります。
まとめ:アキレス腱の痛みは早期対処が重要
アキレス腱の痛みは、放置すると慢性化する可能性があります。早期に適切な治療を受けることで、痛みを和らげ、スポーツや日常生活への復帰を早めることができます。痛みを感じたら、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。アキレス腱の痛みは、様々な原因で起こり、症状も様々です。早期に適切な診断を受け、原因に合わせた治療を行うことが重要です。保存療法で改善する場合もありますが、手術が必要になる場合もあります。いずれの場合も、医師の指示に従い、適切なリハビリテーションを行うことが、早期回復のために重要です。また、アキレス腱の痛みを予防するためには、日頃から適切なウォーミングアップとクールダウンを行い、足に合った靴を選び、オーバーユースを避けることが大切です。アキレス腱に違和感を感じたら、早めに専門医に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。アキレス腱の健康を維持し、快適なスポーツや日常生活を送りましょう。
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